大手コンサルティング会社、Bain & CompanyはAntwerp World Diamond Centre (AWDC) との共著で、2018年版のダイヤモンド産業の市場動向に関するレポートを発表した(2017年と2018年上半期の統計に基づいている)。

※2018年が予想論調で書かれているのは論拠は2017年と2018年上半期のスタッツのため

●概要

2017年のダイヤモンド産業の成長率は2%ほどだったが、2018年も強含みで推移する。

2017年に採掘されたダイヤモンド原石は20%増加したが、増加した原石の品質は概して低く、鉱山会社の利益には2%しか貢献していない。

2017年には2%増加したハイジュエリーマーケットだが、2018年は中国人の同マーケットに対する需要が再び増加したことにより過去五年間で最大の伸びを示すことが見込まれるが、米中貿易戦争が行方によっては悪影響を受けるかもしれない。

合成ダイヤモンドの生産量の増加は、天然ダイヤモンドの2030年までの価格増加を5-10%に限定するだろう。

ジェネレーションZの女性の購買力が増加しており、この世代の需要を取り込めるかがダイアモンド産業の成長に関わる。

●2018年の合成ダイアモンドに関わるビックニュース

デビスの合成ダイアモンドを使ったライン、LightBoxの登場と、同ブランドで扱う合成ダイアモンドにグレーディング レポートをつけないとの発表

米連邦取引委員会(FTC)が合成であろうが天然であろうが“ダイアモンド”とは純粋な炭素が結晶化したものという解釈を発表

●今後の成長はジェネレーションZのニーズを捉えることができるか

ジェネレーションZ(1990年代中頃から2000年代中頃に生まれた世代。日本ではバブル崩壊後に生まれた世代として知られる。生まれたときからインターネットに親しんでおり、ITリテラシーが高い)の女性の購買力が増加しており、ソーシャルメディアの“いいね”に影響を受けるこの世代の需要を取り込めるかがダイアモンド産業の成長に関わる。

●合成ダイアモンド

CVD合成ダイアモンドの製造コストが劇的に下がっている。1キャラットあたりの製造コストは十年前4,000ドルだったが、現在は300-500ドルである。つまり十分の一。今後も下落が予想される。

製造コストの下落より流通価格も下落しており、過去2年間で卸売値で三分の一、小売価格は約半分ほどになっている。

現在、合成ダイアモンドの生産量は年間200万キャラットと推定され、そのほとんどはメレーサイズである。今の合成ダイアモンド市場の成長率(15-20%)が続けば、2030年には1000万ー1700万キャラットの生産量となるだろう。

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