AGL宝石鑑別団体協議会)が「AGL真珠検品」と「AGLアコヤ養殖真珠グレーディング」の提供開始を発表した。同協議会に加盟するラボの、少なくとも一部※では9月2日からサービスの提供を受けることができる。

両サービスともに検査対象はアコヤ養殖真珠で、形状はラウンド及びセミ・ラウンド、色はホワイトからクリームの珠。

AGL真珠検品では「品質及び耐久性」を検査しジュエリー品質と認めたものには「真珠検品合格証」を発行し、鑑別書に添付する。

AGLアコヤ養殖真珠グレーディングでは「AGL真珠検品」に合格した真珠について、希望があればグレーディングを行い、結果を表記する。グレーディング基準はテリ・キズ・マッチング(連の場合)で、それぞれを3段階(A・AA・AAA)に評価する。同時にマキ感を2段階(優良・良好)で評価する。総合判定は最も低い等級で行う。

検査結果には次のコメントをつける。

その真珠の検査を行った時点での検査結果です。
その真珠の価値や価格について言及するものではありません。

※令和元年10月16日時点でAGLのホームページに掲載されている会員一覧から各社ホームページを確認したが、このサービスについて掲載しているのはAGTと中央宝石研究所だけだった。この両社について、本サービスの料金を比較した。

2社の料金比較 – 真珠検品、グレーディング

サービス名AGT※3中央宝石研究所※4
検品※12500円4100円
グレーディング※24000円5100円

※1:両社とも、散珠、連、料金は同じ、また真珠検品には鑑別書が含まれる。

※2:両社とも、散珠、連、料金は同じ、またアコヤ養殖真珠グレーディングには鑑別書と真珠検品が含まれる。

※3:AGTの料金は会員価格。会員になるには年会費2万円が必要。なお、ネックレスと指輪といったセットの場合、セット分については追加料金は1000円のみ。

※4:中央宝石研究所にはネックレスと指輪といったセットの場合の割引はない。

AGTのアコヤ養殖真珠グレーディング・レポートのサンプル

金額は税別で、取材時点のもの。本ページに掲載している料金でのサービス享受を保証するものではありません。ご利用の前にサービス提供会社にご確認ください。

なお、GIAの真珠鑑別および分類レポートの価格は以下。

真珠鑑別(散珠):

12700円(最初の1珠。2珠目以降は1,100円)

真珠分類レポート(散珠)(鑑別込):

14300円(最初の1珠。2珠目以降は1,100円)

分類レポート(classification report)が事実上のグレーディング・レポートとなる。このレポートのみの発行はなく、希望する場合にはGIAの真珠鑑別レポートに分類レポートが追記される形となる。

分類レポートに追記される内容

Luster:例: Excellent
Surface :例:Lightly spotted
Matching(連の場合) :例:very good

GIAではclassification report を 分類レポート と訳しているが、これは分かり難い。classificationには「等級別」、「格付け」といった意味もあるのだから「等級レポート」などと訳してもらった方がわかりやすい。あるいは、グレードが低いからといって悪いわけではない、それも個性だから、といった考え方に基づいての訳からしれないが、それならばグレードに Excellent や very good といった優劣の用語を使っていることと整合性がとれない。再考を求む。

敬称略

画像出典:AGL