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メレバンク・カフェ(10)- ブラウンのダイヤについて

ブラウンのダイヤの製品が目立つようになってかなりの時間が経ちます。新聞、雑誌テレビ等での広告を目にすることも多くなりました。今まであまり見向きされなかったブラウンのダイヤが広く使われるようになったことは、ジュエリー材料としてのダイヤの間口を広げたという意味で業界にとって意味がありました。

しかし、ブラウンダイヤが質の高いダイヤモンドであるかのような、セールストークが一部で行われていることは残念な限りです。

ブラウンは他のファンシーカラーとは違った評価をされています。一般にファンシーカラーは色が濃くなるほど評価は高くなりますが、ブラウンは色が濃くなればなるほど評価(価格)が下がります。ブラウンダイヤの製品が数多くつくられるようになったため、ブラウンダイヤの価格は数年前の2〜5倍に上昇しましたが、ホワイトに比べる価格差は依然大きいです。

ブラウンダイヤの最大の生産地はオーストラリアです。ピンクの原石と同じ鉱山から産出しますがピンクに比べてブラウンが圧倒的に多く産出されます。オーストラリアの原石はダイヤの中でも硬いことで有名です。安いブラウンの原石は研磨に手間をかけませんから完璧に磨かれたブラウンの石は少ないと言うことになります。

個人的にブラウンダイヤで美しいと感じる石はごく僅かです。赤色を含んだテリのあるチョコレートブラウンの石は確かに綺麗ですからもっと評価されてもいいかな、という気がしますが、ブラウンのダイヤが一般的に高い評価を得ることはないでしょう。

ブラウンで最も評価が高いのはTTLB(Top Top Light Brown)と呼ばれるホワイトに限りなく近い淡いブラウンです。PtやWGの白い地金の枠に留めるとホワイトに見えます。今ではTTLC(Top Top Light Cape イエローゴールドの枠に留めるとホワイトに見えます)よりも評価が高くなっていまして、こんなところにもイエローよりもホワイトの製品が主流になっている宝飾品の世界的傾向が反映されています。

濃いブラウンのメレーも単価は安いのですが、安いゆえにきちんと仕分けされたロットは見かけませんので、色が同じで、メイクがしっかりしていて、研磨状態の良いものを揃えるのは容易ではありません。また、石落ちした時に同じような石を探すことも大変難しいことを承知しておく方がよいでしょう。

株式会社サノ・トレーディング
佐野良彦


 

執筆者紹介

佐野良彦

株式会社サノ・トレーディング代表取締役。同社は明治15年(1882年)創業の欧米時計宝石販売佐野商店が発展した老舗ダイアモンド輸入卸。

企業理念には『宝飾文化人を目指す』と掲げる。

各種業界誌への寄稿多数。確かな見識でも知られる。


敬称を略しました。

 
 
メレバンク・カフェ
ジュエリーには欠かすことのできないダイヤモンド メレーに関するコラムです。毎月2〜3回更新中!

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