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有力鑑別機関4社、新しいコランダムの熱処理(ベリリム拡散処理)に対する見解を発表

次の有力宝石鑑別機関は、昨年末より問題となっている、コランダムに対する新しい熱処理に対する見解を発表した。

  • GIAジェム・トレード・ラボラトリー
  • AGTA・ジェモロジカル・テスティングセンター
  • グベリン・ジェム・ラボ
  • SSEF・スイス・ジェモロジカル・インスティテュート

>> この問題の概要

この処理石に対する表記は以下のように表現される(オレンジの場合)。

Species:
Natural Corundum
Variety:
Treated (Orange) Sapphire
Comments/Treatments:
Indications of heating.
The orange coloration of this stone is confined to a surface related layer.
種:
天然コランダム
変種:
トリーテッド(オレンジ)サファイア
コメント/トリートメント: 
熱処理を示す特徴有り。
この石に見られるオレンジ色の領域は、表面に沿って層を成す。

◎ その他

拡散処理とは処理法が異なるため、拡散処理の表記は行わず、また一部のラボが行っている[パパラチャ]の鑑別結果は出さないという。
上記の「変種」欄にはトリーテッド(処理された)との表記があるが、通常の熱処理にこの表現は入らない。

◎ 鑑別法

私は当該石を見たことがない。しかし、上記ラボのウェブサイトに  掲載された写真を見る限り、浸漬検査で簡単に鑑別できそうだ。 撮影は、恐らく、次のような環境で行われている。同じ環境で検査すれば肉眼でも鑑別できるだろう。

 ┃………┃
 ┃ ◆   ┃←底がガラスの容器(シャーレなど)
 ┗───┛
━━━━━━━ ←半透明の白色の板(プラスチックなど*)
  \|/
    ◎ ←光源

◆ は検査石。

……… は検査液。石が隠れるまで入れる。撮影には恐らく沃化メチレンを使用しているが、手に入らなければグリセリン(薬局で買える)でも役に立つ。

* 半透明の白色の板がなければ、ガラス板に半紙を敷くなどする。

沃化メチレンを用いる場合、長時間光源で熱すると健康に良くない(有害ガスがでる)ので注意のこと。

>> 関連項目 / 浸漬検査沃化メチレングリセリン


◎ 日本のラボの対応

鑑別機関は民間の企業である。AGL(宝石鑑別団体協議会)といった業界団体もあるが、全ての鑑別機関が加盟している訳ではない。 またAGLの会員ならば全て同じ鑑別上の表現を使っているかというと、必ずしもそうではない。つまり、鑑別結果の表記は、それぞれの鑑別機関の裁量によって決まる。
ある国内有力ラボは、次のように対応している。他のラボも同様かと想像する。

鑑別結果: 

天然(オレンジ)サファイア**

コメント: 

外形に沿って層を成す異なる色の分布は新しい技法の加熱によって生じたものです。

** オレンジの場合。

日本では、処理をエンハンスメント(改良)とトリートメント(改変)に分けているが、前述の国内のラボでは、この処理をエンハンスメントとして扱っている。両者の違いは稿を改めたいが、前者は従来の熱処理など。後者は照射処理や、拡散処理など。

Pasted: 2002/03/05

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