iTunes（アイチューンズ）とはApple社の無料マルチメディア再生ソフトウェアである。Apple社復活の立役者のひとつである小型ミュージックプレイヤーiPod（アイポッド）に統合されたソフトとして新聞の経済欄でも眼にする単語だから、iTunesの解説記事などが載る若者向けの雑誌には眼を通さないビジネス　パーソン諸氏に於かれても、使用経験は無くともその存在は知っているという方は多いだろう。

マルチメディア再生ソフトが宝飾業界向けのＩＴの活用に関係があるのかと思われようが、実はある。先頃GIA本校が在校生・卒業生を対象にiTunesを使った動画学習教材の提供をはじめたのだ。今号ではその使い方を紹介したい。

■豊富な動画教材

公開されているのはクラス教材が中心だが、iTunes公開用と思しき今年製作されたタイトルもある（写真１）。閲覧は全て無料だ。

１８４タイトル（本稿執筆時点）にも及び動画教材をパソコンに取り込んでから、あるいはストリーミング（ＰＣに取り込むことなく）で視聴できる。ＧＧ、パールグレーディング、ＪＭＡ（ジュエリー製作）関連クラスの教材が公開されているから、自身の学んでいないクラスの教材を見るのは宝石学の知識を深める役に立つだろう。

■利用開始の準備

iTunesでGIAの動画教材を見るにはインターネットに接続可能なパソコンが必要だ。ブロードバンドでの接続環境が望ましい。次の手順で視聴できる。

●iTunesの入手とインストール

こちらのページから無料で入手できる。ＰＣに取り込み、インストールする。

●MyGIAへの登録

登録資格はGIAの在校生・卒業生（もちろんGIA JAPANの在校生・卒業生も含まれる）であること。料金は無料。こちらの申込みページ（写真２）にアクセスし、必要事項を入力してから[Continue]ボタンを押して案内に沿って登録をする。

アメリカ時間で３開講日以内にＩＤとパスワードがメールで送られてくる。

■利用開始

ＩＤとパスワードが届いたらMyGIAのログインページ<https://my.gia.edu/>から入力をしてログインボタンを押すとメインページが表示される（写真３）。

ページ左下にある[GIA on iTunes U]をクリックする。空白のページがひとつ表示され、ウィンドーを閉じて良いかと聞かれるので[はい]と了解するとiTunesが立ち上がりiTunes内のGIAメインページが表示される（写真４）。立ち上がるまで少々時間が掛かる（筆者の環境で１０秒ほど）。

GIA Education Programsと書かれた囲みの中から任意のカテゴリを選んでクリックすると、そのカテゴリ以下の動画教材公開ページに進むことができる。[Total Tracks]はそのカテゴリで公開されているタイトルの数。

[School of Gemology]をクリックした後の画面が写真５。[Diamonds & Diamond Grading]や[Gem Identification]というタブをクリックするとそのカテゴリのタイトル一覧が表示されるのでタイトル名をクリックするとストリーミングで動画の視聴ができる。手元のＰＣにダウンロードする場合にはタイトル右側の[ムービーを入手]をクリックする。

[ムービーを入手]をクリックしても一見何の変化も見られないが、左側に縦に並んだ文字列のメニューの中から[ダウンロード]をクリックするとダウンロード予想時間などが表示されるから作業の進捗を確認できる（写真６）。ダウンロードが終わると左側のプレイリスト以下にGIAという文字が現れる。これをクリックすると[GIA on iTunes U]からＰＣに取り込んだコンテンツの一覧が表示される。

元のページに戻る場合はiTunes上部のメニューバーから[Store]→[前のページ]とする。

Continuing Education以下のあるGems & GemologyではG&G過去号の一部をフルカラーのPDFファイルで読むことができる。

■MyGIA利用の薦め

既に記したように、MyGIAの登録資格はＧＧに限定されない。例えばGIA JAPANでジュエリー　デザインクラスだけを受講した方も登録できる。

１８４ものタイトルの中には見たことのないコンテンツも多くあるだろう。例えばインペリアル　トパーズに関するコンテンツでは代表的な産出地であるブラジル、オウロ・プレトの美しい街並み（写真７）も紹介されているから、さながらバーチャル　トリップの気分でユネスコ文化遺産の古都を散策する気分を味わうことができる。

本稿ではGIAのiTunesサービスについて紹介したが、MyGIAに登録すればiTunes以外にもGIAやアルムナイが発行する各種雑誌をオンラインで閲覧することもできる。情報が全て英語なので敷居が高い方も居られるかもしれないが、一度登録してみてはいかがだろう。

by 福本

本校は、GIA JAPAN発行のGemologists' News Vol.58に掲載された弊誌出稿原稿を一部修正して転載した。