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■宝石学の世界□□★□□
□□□□□□□□□□□□………………………………………………Vol.319-20071218
ご購読ありがとうございます。
年内最後の発行となります。次号は１月中旬の発行を予定しています。
良いお年をお迎え下さい。
▼ INDEX ………………………………………………………………………………………
1. 宝飾関連新刊書 - 貴金属と宝石買取のための真贋判定と買取査定の極意 など
2. スリランカからの宝石便り〜その２〜スリランカのコランダム
3. 合成モアッサナイトとダイアを実際に手に取り、違いを確認できるセミナー
4. リーダース・エクスチェンジ - ギロッシュ -
5. リーダース・エクスチェンジ - 東京ミネラルショーに参加して
6. オークション ニュース - マリア・カラスゆかりの品サザビーズに出品 -
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1. 宝飾関連新刊書 - 貴金属と宝石買取のための真贋判定と買取査定の極意 など∽
■貴金属と宝石買取のための真贋判定と買取査定の極意
国産品長期不況に地金高騰が重なって、リサイクルビジネスが活発化している昨今だ
が、このリサイクル商売にはがんぶつ贋物を掴まされるというリスクが付き物だ。
昔と違って最近の贋物・偽物はプロ化・先鋭化しており、水際での対面判定が要件で
ある判定者・査定者の知識・スキルの高度化が急務となっている。 その強い要請に
真っ向から応えるのが本書であり、少なくとも｢貴金属製品買取｣というテーマを体系
化した書物は本邦初だろう。リサイクル業リーディングカンパニー・ネットジャパン
(吉澤敏行代表)が、業歴35年間で蓄積した贋物の代表事例111例(貴金属製品62、同コ
イン類20、宝石29)を公開する本書は、リサイクル業だけでなく全ジュエリービジネ
スの健全化を促すマジックパワーを秘めているとも云える。
尚同書の宝石写真や宝石の真贋に関するコンテンツは弊誌発行人が提供。ジュエリー
を買い取る際、肉眼やルーペを使い色石やダイアモンドを合成石・類似石と見分ける
参考となるはずだ。
・企画・発行 ネットジャパン編・刊
・発売元 柏書店松原
・体裁 B5判 144頁 オールカラー 460g 並製本
・定価 2,000円（税込）
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■BVLGARIブルガリ大図鑑
名実共にイタリアを代表する同ブランド唯一の市販本ブランドストーリー図鑑。創始
者ソティリオ・ブルガリ(ギリシャ生れ)が１８８４年ローマで自店開設以来今年で
123年目、本の中で展観する同社の金・銀製の装身具は早くから米国・英国で勇名を
馳せた。それは歴史的避暑地サンモリッツでの米英人セレブたちとのコンタクトから
始まる。近年は意欲的に海外出店攻勢に励み、本年11月同社最大店舗をこの銀座に出
店(ブルガリ銀座タワー)、本書もそれを誇らしげに報じている。
尚、本書は1996年初版以来11年振りの大改訂版。
・著者 アマンダ・トリオッシ＆ダニエラ・マセッティ両女史共著
・発行 米Abbeville Press 英文
・体裁 B4判 320頁 オールカラー 2.68kg(!) 上製本
・定価 15,750円（税込）
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2. スリランカからの宝石便り〜その２〜スリランカのコランダム ∽∽∝∽∽∽∝∽
チャールズ皇太子が婚約の時にダイアナに贈った指輪はスリランカ産サファイアとい
われています。ブルーサファイア（コランダム）はスリランカの代表的な宝石のひと
つで、観光客を相手にした宝石店では、目につくところにブルーサファイアのジュエ
リーやルースが置かれています。しかし、非加熱サファイア（ブルーの色に限らず）
の産出量は減っており、ギウダと呼ばれるガソリンのような茶、黄色味かかった白い
コランダムを加熱して色を出しているものが大半です。この加熱処理はその宝石に潜
在的にあった能力を引き出し、色も安定します。宝石の産地であるラトゥナプラ近郊
では、加熱工場が多くあり、家庭内工業といった感じで昔ながらの機械
（Toda Furnace, Lukmini Furnace）を使って、１７００−１８００度の温度で熱処
理を行っています。加熱業者の研究と努力で、本来ならば宝石として扱われないギウ
ダが、美しい色に変わっていくのは感慨深いです。
しかし、中には表面を拡散処理されたものやベリリウム処理をしているのではないか
と思われるサファイアを見かけることもあります。これらは、海外から持ち込まれる
ケースもあり注意が必要です。また最近ではマダガスカル産（アフリカ）の非加熱の
ブルーサファイアや加熱処理されたものも増えており、ベルワラ（宝石のディーラー
が多く集まる街）の業者も定期的にマダガスカルまで買付けに行くとのことです。
スリランカのルビーは、ピンクに近いものが多く、ミャンマー産のような赤（ピジョ
ン・ブラッド）を見かけることはありません。この明るくチェリー色がかったルビー
は、どの世代の女性にも合いそうな色合いだと思います。また、かなりレベルの低い
ルビーが海外から入ってきており、中にはガラスや鉛の含浸処理されたものも扱われ
ています。これらは低価格で販売されていますが、そのような処理がされているとい
う説明はまずないでしょう。
「蓮の花」という意味のシンハラ語から由来のある「パパラチア」ですが、コロンボ
の高級宝石店に行っても「非加熱パパラチア」を見つけるのは難しいです。大体の店
では、加熱処理されたものを並べています。色もピンクとオレンジの中間の理想的な
色もありますが、茶色がきついもの、ピンクサファイア（もしくはオレンジサファイ
ア）をパパラチアとして表示して販売している店などもあります。パパラチアという
だけで高額になる為、かなり無理のある色みのサファイアを並べており、正しく買う
為にも買い手の知識が必要でしょう。
片山 新子 FGA
▼片山さんへのお便りはこちらからコメントをつけると届きます。
http://weblog.gem-land.com/?p=49
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3. 合成モアッサナイトとダイアを実際に手に取り、違いを確認できるセミナー ∽∽
高止まりしている貴金属相場を背景にジュエリーの買い取りビジネスが活況を呈して
いるが、ダイアモンド ジュエリーの買い取りに際しては、ダイアモンド テスター
では識別出来ない合成モアッサナイトの存在が気になるという業界関係者が多
いのは弊誌への質問からも分かる。
そんな方にお薦めしたいのが、１月１６日にGIA JAPAN（ジーアイエージャパン）の
東京校で開催されるセミナー、「ダイアモンド類似石の鑑別方法教えます」。実際に
合成モアッサナイトを手に取って、ダイアモンドとの違いを実感することができる。
参加費は3,150円と手頃だ。↓申込みページ。
http://www.giajpn.gr.jp/t_lesson/tokyo.shtml
合成モアッサナイトは複屈折性であり、単屈折性であるダイアモンドとの違いは
ルーペで見ればダブリングの有無によって明らかだが、実物を見たことが
ないと識別には不安があるかもしれない。しかし、一度実見すればその不安は解消
されるだろう。
尚、東京は遠すぎるという方には前述の記事で紹介した図書、
「貴金属と宝石買取のための真贋判定と買取査定の極意」 をお薦めしたい。
弊誌の提供した合成モアッサナイトをルーペで見た際に観察出来るダブリング像
の高解像度の写真が収録されている。
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4. リーダース・エクスチェンジ - ギロッシュ -∽∽∝∽∽∽∝∽∽∽∝∽∽∽∝∝
お寄せ頂いたメールを紹介します。
−−−
福本さん楽しみに読んでいます。ここのところ、ギロッシュが続いていますね。
私の解釈では、ギロッシュは今風に言えば、ダイヤモンドカットです。
過日、ドイツのジュエリー製造現場の研修に赴き、ドイツのジュエリー博物館(?)
でジュエリーの製造、宝石のカットなどの設備や技法を見学することがありました。
その中に、ギロッシュの機械がありました。館員である日本で言う卓越技能者の方
の詳しい説明を受けましたが、この機械そのものがかなり古いものでした。 隣には
100年以上以前に製造され活躍した鎖の自動機械が何台も動いていましたから、この
ギロッシュもかなり古いものと推察できます。
縦向きの円盤上にカットするものを固定し、回転させた円盤にバイトを当てて模様
を刻んでいきます。
円盤は同心円に回転する場合のほか、軸心を徐々に小さな円形に動かせることがで
きます。すると、模様は単調な同心円の模様のほか、かなり複雑で面白いものがカッ
トでき、また線の間を狭くも広くもコントロールできます。
バイトの回転や位置を調整すると、この模様はさらにいろいろな柄ができます。
現在は同様の仕組みの機械は、バイトはダイヤモンドで作られていますので、
ダイヤカットといいますが、この当時はバイトはダイヤではなく、手に入る最も硬い
金属で作られていたと推察します。
今のダイヤカット機は水平と垂直の回転の組み合わせのほか、コンピュータ制御さ
れ、複雑な曲線も描くことができます。
その模様の華麗さには驚きますが、ギロッシュの模様はなんとなく柔らか味と親し
みがあります。
ギロッシュはつまり回転運動とバイトを利用したカット技法を言います。
ドイツでは、ギロッシュと言っていました（私にはそう聞こえました）が、ヨー
ロッパ各国では少しずつ異なると、館員さんも説明していました。想像ですが、時計
でギロシと言うのは、スイスの言い方かもしれませんね。
by 雑学や T.Kawasaki
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5. リーダース・エクスチェンジ - 東京ミネラルショーに参加して∽∝∽∽∽∽∽∝
読者の皆様よろお寄せ頂いた、東京ミネラルショーの感想などを紹介します。
ご投稿、ありがとうございました。
−−−
■ yooneko さんより
昨日、当選したチケットで池袋ミネラルショーに行ってきました。主にルースを見て
回りましたが、サファーリンが多かったです。 夏の新宿ミネラルショーの時には
１ピースしか見かけませんでした。しかもお世辞にも綺麗とは言いがたいルースでし
た。しかし、今回は小粒でも色が綺麗でアイクリーンのものが多かったように思いま
す。
また、懇意にさせていただいている出展者さんがイリスアゲートを出品していて、思
わず購入してしまいました。産地がアメリカネバダ州のホースマウンテンのみと聞き
ました。光にかざすと綺麗なレインボーを見ることができます。フランスの出展者さ
んも購入していました。
そのフランスの出展者さんのブースでは、マグネシウムアキシナイトのカット石があ
りました。アキシナイトが好きなのですが、フェロアキシナイトのルースしか持って
いないので、購入しました。 状態はインクルージョンが多いのですが、ほんのり
カラーチェンジが見られて気に入っています。
ロードナイトの原石を10ピースほど出品しているブースもありました。
ロードクロサイトのルースも多く見かけました。南米産が多かったかもしれません。
鉱物標本では、プレナイトの結晶の美しく大型のものがあって、とても美しかった
です。
フローライトなどの定番の美しい標本も多数ありました。益富先生のパネル展示など
あったせいか、雲母も多く見かけました。
時間があれば何日も通いたいところです。来場者も多かったです。今朝の目覚まし
テレビ（フジテレビ系列）でもミネラルショーの様子が放送されたそうです。多くの
人が宝石や鉱物に関心をよせていることが分かりますね。来年もぜひ行きたいと思い
ました。
■ おいでやす さんより
いただいたチケットで、ミネラルフェアを満喫してきました。どうもありがとうござ
いました。
池袋の会場は通路がゆったりとってあり、混んでいたものの快適でした。今回は珊瑚
と翡翠を中心に見て回りましたが、珊瑚の専門店は１店しかなかったようです。それ
でも、綺麗なルースをたくさん目に出来ていい機会でした。翡翠の専門店は数多くあ
り、凝った彫刻のペンダントトップがありました。
そして、今回は予想外にターコイズのルースを購入しました。綺麗なナチュラルの
ルースを扱っているお店があり、値段も相応な感じだったので、つい。今まであまり
手にしたことのない石でしたが、綺麗な石ですね。飽きずに眺めています。
このような楽しい機会をいただき、本当に感謝しております。
どうもありがとうございました。
■ ぷーたろ さんより
頂いたチケットでミネラルショーを堪能してきました。
初めてのミネラルショーだったので、勝手が分からず、最初は戸惑いましたが徐々に
会場の熱気と綺麗な石にやられ、ついつい色々と・・・
私は特価品を中心に見て歩いていました。
安いお手ごろから、自分で見て良いと思ったものを買うのは楽しいです。
ラベンダー翡翠とオパールのルースを購入しました。
これから何かに加工したいと思っています。
グラム辺りxxx円とかとの売り方は驚きでした。何時もはハンズとかで箱に入ったも
のしか買ったことがないので、かなり新鮮でした。
あと、友人とはまったのが、意外にも動物の骨や化石モノでした。特にグッツもので
骨ストラップや恐竜ペンダントは物凄く出来が良くて、思わず衝動買いしてしまいま
した。
それから、万引き直後のお店で、「30万のをやられた」と言っていた所に遭遇して
しまい、万引きがとかあるんだぁ・・・と一寸やりきれないものを感じました。
でも、全体的には楽しかったし、何時間でも見ていたいと思ったんで、来年も是非
会場に行きたいと思います。
今回はありがとうございました。
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6. オークション ニュース - マリア・カラスゆかりの品サザビーズに出品 -∽∽∽
20世紀最高のソプラノ歌手ともいわれ、１９７７年にパリで没したマリア・カラス
ゆかりの品が１２日、ミラノで開催されたサザビーズのオークションで競売にかけら
れた。落札総額は約２億９千万円（1,766,225ユーロ）だった。
宝飾品の最高落札価格はヴァンクリーフ ＆ アーペル製のネックレスで、マリア・
カラスが１９７０年代から身に着けていたもの。落札予想価格は３０万円ほどと思わ
れていたが、１１００万円（66,250ユーロ）で落札された。その他にも落札予想価格
を大幅に上回る落札価格が相次ぎマリア・カラスの未だ根強い人気の程を伺わせた。
また可愛らしい１９５０年代に制作された猫のブローチはおよそ２９万円で落札され
た。 ５０年以上昔のデザインとは思えない、アニメのキャラクターのような愛らし
い顔をしている。
▼可愛らしい猫のブローチの写真は、以下より当該記事をクリック
http://www.gem-land.com/
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※敬称を省略しました。
宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース（Dnavi）に収録されています。
宝石に関するご質問や弊紙に対するご希望などをお寄せ下さい。
※画像をお送り頂いても宝石鑑別はできませんのでご遠慮下さい。
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