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赤い物は別格

 先回、「平凡の中の非凡」と題して、長石のようなありふれた鉱物の中にも優れた宝石材があることを紹介させていただきました。

 その直後に自宅に届いたジェムズ&ジェモロジー誌02年春季号(※)によればアフリカのコンゴで赤いアンデシン(中性長石)が発見されたとのことです。

 長石に限らず赤と言えば、ダイヤモンド、コランダム、ベリル、トパーズ等にとって秀でた色であり、まさに「甘い物は別腹」ならぬ「赤い物は別格」と言えそうです。ニューヨークの「アメリカ自然史博物館」で見た60カラット超の赤いトパーズの印象は今も鮮明です。天然の赤ダイアモンドは数少ないようですが、世界最大クラスと称される赤ダイヤ(5.03カラット、スミソニアン博物館所蔵)は、なんとガーネットのジュエリーの中で見つかったとのことです。 まるで、アンデルセンの童話「みにくいアヒルの子」(醜いアヒルの子と蔑まれた子が、成長して白鳥となる話)のようです。

 スケールこそ違え、これに似た経験をしたことがあります。20年位前、ピンキッシュ・レッドのロードナイト(ばら輝石)のカボッションを持っておりました。ロードナイトはマンガン鉱山では捨てられているくらい安価な石です。 ただし、ファセット加工できるロードナイトは稀少かつ高価です。前述のスミソニアン博物館収蔵品でさえ、ファセットにカットされた最大のロードナイトは4.9カラットです。

 さて、その石はロードナイトにしては色が美しすぎて気になっていたのですが、ある方の目に留まりました。この程度の石はまた手に入ると考え、その石はその方にお譲りしました。 その方は娘さんのためにゴールド・リングに仕立てました。完成後見せていただきましたが、美しい仕上がりで若い女性にはピッタリのジュエリーでした。一方、同様の石はその後、私の前に姿を現してはくれませんでした。実は、この石は今考えるに、ロードナイトではなく、同じマンガン鉱物であるナンブライト(南部石)であったことは確実です。 今となっては「お金を払いますので返してください。」などとはとても言えません。まあ、宝石にはそんなエピソードがつきもので、それが面白みの一つなのでしょう。

 ナンブライトと言えばアフリカの某所でファセットグレードのものが発見され、実際カットされたそうです。どんなものか一度拝見したいものです。

 赤い長石と言えば、米国オレゴン州ポンデローサ鉱山のラブラドライトが先輩格です。赤と言っても酸化銅の色ですからルビー並の赤ではありません。この石も発見当時はかなり高い値段で取引され、やがて値段もこなれていきました。おそらくコンゴ産のアンデシンも同様な経緯をたどるのではないでしょうか。今後を見守っていきたいところです。
 
石野好男
 
敬称略
[宝石学の世界]--Vol.132-20020910に掲載の、読者よりのご投稿記事。
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