▼ INDEX 1. ダイアモンドの流通:上流での変化の兆し 2. Picked Up News - CSOからDTCへ - 3. [ありがとう2000キャンペーン]間もなく締切 4. お詫び …………………………………………………………………………………… ====広告================================================================== ━━宝飾業界関係者様━━━━━━━Netで仕入れをしませんか?━━━━━━ ■■ジェムランドでB2B■■■ジェムランドIDは無料で取得できます■■■■ ジェムランドが宝飾業界各誌に取りあげられました。現在発行の各誌、 『時宝光学新聞』、『時計美術宝飾新聞』等をご覧下さい。 ========================================================================== ◆1. ダイアモンドの流通:上流での変化の兆し ∽∝∝∽∽∽∽∝∝∽ 多くの方がご存じの通り、デ・ビアス社は世界最大のダイアモンド生産 者である。少なくとも5年程前までは、世界に流通するダイアモンド原 石の約8割は同社の手を経て流通していると云われた。直営や資本参加 している鉱山から採掘されたダイアモンドに加え、ロシアなど他の大手 生産者から原石を買い上げる事によりこの圧倒的なダイアモンド流通の 上流支配を実現し、それは、供給調整による価格調整を可能にしている。 しかし、この状況に変化が見られる。最初のつまずきは1996年、世 界最大の生産量を誇るアーガイル鉱山(オーストラリア)との買い取り 契約を更新できなかったことであろう(*)。次いで97年にはロシアと の契約更新が危ぶまれ、ALROSA(ロシアの国営ダイアモンド生産・輸出 公団)側に散々にじらされた挙げ句、翌98年に更新している。契約内 容の詳細は不明だけれど、欲しがる者は足下を見られるのが商いの常ら しいから、かなりのロシア側に歩み寄った契約内容であったのだろうと 推定する。 (*)同鉱山産ダイアモンドは小さく、また低品質の石が中心のため、売 上げベースでは最大ではない。 現在、デ・ビアス社が支配しているダイアモンド原石のシェアは60% 程度と思われる。しかし今後確実に生産力を増すカナダ勢や中国、鎮火 する兆しすら見えない、いわゆる『紛争ダイアモンド』(弊誌Vol.30- 5月16日発行に関連記事)の影響を考えると、このシェアですら維持 するのは用意ではあるまい。例えばティファニー&カンパニーはカナダ のダイアモンド鉱山会社、ダイアヴィックに昨年夏より資本参加、生産 量の約14%を購入する契約を結んでいる。 デ・ビアスのブレイン達は、既にダイアモンドの供給調整を続けること は困難という結論に達したようだ。今年5月にはデ・ビアスが唯一ダイ アモンドを販売するチャンネルである『サイト』と呼ぶ販売会の参加資 格緩和を発表、また今月12日のプレスリリースでも供給調整の緩和を 発表している。 この様な動きはダイアモンドの値下がりを意味するのだろうか? 私は そうは思わない。半世紀以上に渡るダイアモンドの値崩れしない相場は 関係業者に富をもたらしており、それを見ている新規参入生産者達もわ ざわざそれを壊し、自らの財務体質を弱める必要性を見いださないであ ろう。今後もデ・ビアスが『サイト』を通じて相場を作り、他の生産者 もそれに準じてマーケティングを進めて行くのではないか。波乱要因が あるとすれば、新規鉱山の開発に中国マーケットの成熟が追いつかない 場合や、デ・ビアスの財務体質の悪化によるシェアの著しい低下などが 考えられるが、これは、デ・ビアスを事実上の傘下に持つミネラルジャ イアント、アングロアメリカンの実力からして考えにくい。彼らの実力 は、沖縄サミットに先立つ外相会談で『紛争ダイアモンド』を議題に上 らせる政治力で再認識させられた。 以下、関連トピック、解説、資料をランダムに記す。 ■サイト デ・ビアスがDTC(ダイアモンド トレーディング カンパニー)を 通じて直接ダイアモンドを販売する販売会。年十回、南ア、ロンドン、 ルツェルン(スイス)にて順繰りに開催。デ・ビアスから招待された、 約120社だけが参加できる。サイトへの参加資格をもつ企業を『サイ トホルダー』と呼ぶ。販売会において、サイトホルダー達は、2種類の 意志表示のどちらかだけを行うことが出来る。すなわち、差し出された 原石のセットを"まとめて買う"か、あるいは"全て買わない"か。欲しい 物だけ買う、あるいは値切るなどの交渉は認められていない。実際には 参加資格の剥奪をおそれて「買わない」という意志表示はほとんど無い という。 ■日本のサイトホルダー 勉強不足で申し訳ないけれど、正確なところは不明。というのは、サイ トホルダーであった「MCダイヤモンド」(三菱系)が解散したため、 その権利がどうなったのか知らないため。他に田崎真珠、オリエンタル ダイアモンド(住友系)がある。世界第2位のダイアモンド消費国であ る日本にしてこの少なさである。如何にダイアモンドビジネスを牛耳っ ているお歴々から日本が「お客さん」としてしか見られていないかが現 れているではないか。 ■ALROSA(ロシアの国営ダイアモンド生産・輸出公団)からデ・ビアス  への販売量  → 年間1,000億円超と推定される。 ■デ・ビアスの原石販売額  → 1997: 約5,100億円  → 1998: 約3,680億円  → 1999: 約5,760億円  → 2000: 約7,700億円(予想) ■デ・ビアスの不良在庫 約4,500億円分のダイアモンドが在庫として眠っていると云われる。 もちろん不良在庫は一部だろうが、宝石品質なら構わず買い集めてきた つけとして、随分とカラーグレイドの低い石が多いと思われる。その処 理として昨年、『ミレニアムダイアモンド』と有り難そうなブランドを 冠して在庫処理を進めていた。去年より約10億ドル在庫が減ってるの だけれど、その成果が出たのだろうか。 ところで、GE POL(またはモナーク、あるいはペガサスダイアモンド) は果たして偶然だろうか?天下のラザールキャプランとはいえ、稀少な タイプIIaを事業化出来るほど多く集めることが可能なのだろうか? そう、もちろんデ・ビアスが裏から供給しているとは思わないけれど、 しかしデ・ビアスの過多と思われる在庫問題が指摘されていた時とのタ イミングが良すぎるようで、少々疑問の残るところ。 ■デ・ビアス、カナダの鉱山確保の動き デ・ビアスは現在、ノースウェスト準州に有望な鉱区を持つ、ウィンス ペア・ダイアモンズ社(本社バンクーバー)に約195億円の現金によ る買収提案を持ちかけている。 ウィンスペア・ダイアモンズ社の7月17日付けのプレスリリースでは、 この買収提案の拒否を発表していたが、昨日(24日)、8月15日ま で株主にデ・ビアスの買収提案を検討する時間を延長する旨、再度発表 した。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆2. Picked Up News - CSO から DTC へ - ∽∽∝∽∽∽∽∽∝∽∽∽ デ・ビアスのプレスリリースによると、同社は、中央販売機構(CSO: Central Selling Organisation )の名称を廃止し、その機能をダイア モンド トレーディング カンパニー(DTC:Diamond Trading Company) に引き継ぐ。既に7月12日付けでサイトホルダー各社に通知済みと云う。 もっとも従来からCSO内の販売部門はDTCであるから特に混乱は予 想されないが。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆3. [ありがとう2000キャンペーン]間もなく締切 ∽∝∽∝∽∽∝∽∽ 弊誌ご購読者様2,000人突破に感謝を込めて、抽選の上宝石をプレゼント させていただきます。締切7/31。 ▼ 応募フォーム ▼ ●プレゼント一覧(写真他の詳細は、応募フォームにございます) ◎アルマンダイトガーネット(原石) ◎ハートシェイプ アルマンダイトガーネット(メレー) ◎ブルーのアパタイト(メレー) ◎オニックス マーブル カルサイト製カエルの彫刻 ◎マーキスシェイプ ホワイトオパール ◎ハートシェイプ ペリドット(メレー) ◎ローズ クオーツ(タンブルド:川底の小石状) ◎ルビー(メレー) ◎ウラル山脈産ルビー原石 ◎モゴク産レッドスピネル(メレー) ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆4. お詫び ∽∝∽∝∽∽∝∽∽∝∽∝∽∽∝∽∽∝∽∝∽∽∝∽∽∝ [ありがとう2000キャンペーン]への沢山のご応募、誠にありがとうご ざいます。今まで、いただいたご意見、ご質問などには必ず返信させて いただいていたのですが、 [ありがとう2000キャンペーン]へのご応募 に合わせていただいたご意見、ご質問は予想以上の量に達したため、全 てには対応できそうにありません。謹んでお詫び申し上げます。いずれ [宝石学Q&A]などでお応えさせていただければと存じます。 …………………………………………………………………………………… ■ご意見、ご感想、ご質問などお待ちしています!  ご意見などは、極力紙面に反映させます。  ご連絡いただいた内容は、特におことわりを頂かない限り、弊誌上で  編集の上紹介させていただく場合がございます。お名前、mailアドレ  スは、特にご希望が無い限り掲載致しませんが、お名前をお書き添え  頂ければ幸いです。 匿名性はネットの利点とはいえ、コミュニケー  ションを名乗らずに図るのは、私にとって苦痛なのです。ニックネー  ムも合わせてお書きいただいた場合には、そちらは掲載いたします。 宛先: 福本 修   ご質問へのお応えは、業務上の必要や、個人的な興味からの疑問にお  応えするべく行っているものです。許可無く第三者への電子メールに  よる回答、公開に利用する事はお断りしております。必要な場合はそ  の旨ご連絡下さい。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 40号 2000/07/25 ■Web site   ■配信システム:『まぐまぐ』  ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセル  をしていただき、新アドレスをホームページより新規申し込みとして  ご入力下さい。 ■購読解除   ■発行人:福本 修   ■(C)Copyright 2000 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。 ……………………………………………………………………………………