▼ INDEX 1. ディスコイド フラクチャ - 熱処理ルビーの指標 - 2. YAG 3. 宝石学Q&A - サファイアの熱処理検知方法 - 4. お詫び …………………………………………………………………………………… ====広告=================================================================== ☆☆■■手に持つとズッシリとくる高級感。『ホールハートジュエリークラフト 』 ☆☆■■『ミレニアムコレクション』(意匠登録出願中)が10% OFF!!!! ■■■■対象商品はこちらから▼▽▼▽▼ http://www.gem-land.com/w-heartjewel/ ホワイトゴールドペンダントが人気■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ =========================================================================== ◆1. ディスコイド フラクチャ - 熱処理ルビーの指標 - ∽∝∝∽∽∽ 熱処理が施されたコランダム(ルビーやサファイア)から観察される可 能性のあるインクルージョン*。 土星とその衛星から成る輪のようにも 見える(少なくとも私には(^^; (関連項目のURLに写真を掲載)。 通常物質は熱に因って膨張する。ただし、ある温度を加えたとき、どの 程度膨張するかは物質に因って異なる。例えばルビーの中に、ルビーよ り同一温度に対する膨張の度合いが大きい、他の鉱物の結晶が取り込ま れていた(内包結晶)とする。このようなルビーに熱処理を行った場合、 内包結晶の膨張に対し、ルビーは同じように膨張してくれない。結果と して行き場を失った内包結晶は、ルビーの中で、ルビー中の弱い結晶学 的方位に沿って破裂する。 この様にして出来たインクルージョンを、 ディスコイド フラクチャーと云う。 *インクルージョン:宝石の内部にある、他の鉱物の結晶や、割れなど。 自然界で作られた宝石には、多くの場合何某かのインクルージョンが観 察される。インクルージョンはその石の出来た環境を語り、また時とし て非常に美しく、宝石を収集する楽しみのひとつといえる。 ▼ 関連項目 ▼ http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ta/discoid_fracture.html ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆2. YAG ∽∽∝∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ レーザー素子として知られるYAG(ヤグ)は、宝石の代用品として用 いられる事もある。以前は高い屈折率を活かし、ダイアモンド類似石と して販売された時期もあった。現在その座はキュービックジルコニアに 譲っているけれど、今日でも時折、無色のYAGが流通しているのを目 にすることがある。ダイアモンドと比べれば分散も低く、鑑別上問題が 生じることはない。特に裸石なら、下のURLで紹介しているパビリオ ンフラッシュの色や、シースルー効果でもヒントが得られる。 ▼ シースルー効果 ▼ http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ha/pavillion_flash.html ▼ パビリオンフラッシュ- 最近の更新項目より - ▼ http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 3. 宝石学Q&A - サファイアの熱処理検知方法 - ∽∽∝∽∽∽∽ Q: 以前の号で、熱処理石されて、そしてガラス充填されたサファイヤがに ついて書いてありましたが、石が加熱処理されているかされていないか というのは、簡単に見分ける事が出来るものなのでしょうか? 私は以前知人から非加熱処理のルビーを購入しました。非加熱という鑑 別が欲しくて、某宝石学協会へ依頼しようと思いましたが、非加熱とい う鑑別書はなく、レポート形式で値段は6万円程度、かつ1か月かかる ということで断念しました。もし、簡単に熱処理かどうか判別する方法 があれば教えてください。 また、もっと安価な鑑別機関をご存じであれば、教えていただけないで しょうか? A: サファイアが熱処理を経たか否かは、簡単に分かる石もあり、また分か らない石もあります。以前メールマガジンで取りあげた石は、幸い拡大 検査開始後10秒程で熱処理を経ていることが分かりました。熱処理を 受けた場合に生じる特徴が、石の内部にすぐ見つかったからです(上で 取りあげたディスコイドフラクチャーが観察されました)。 熱処理の有無を判断する簡単な方法と云うのは、あいにくありません。 少なくとも、熱処理を経た場合に生じるインクルージョンに関する知識 と、顕微鏡で、時には高倍率を用いてそれを探せるテクニックが必要で す。 拡大検査以外に、僅かなヒントを与えてくれる検査として蛍光検査があ ります。また鉄による吸収の強さ等を調べる高度分光計による検査も有 力です。しかし、いずれも詳細はこのメールマガジンで触れるべき内容 とは思われませんので割愛します。いずれウェブの方でぼつぼつ書いて いければと考えております。 - - - - - 鑑別機関の値段ですが、私自身は鑑別機関に石を出す事はないので、分 からないのです。 お近くの図書館で台東区の職業別電話帳をつづり、 片っ端から鑑別機関に電話をし、聞いてみる方法もあります。ただ、ほ とんどの機関は熱処理の有無は取り扱っていないでしょう。お役に立て ず、恐縮です。 どなたか値段をご存じの方がおられましたら、ご投稿をお待ちしており ます。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆4. お詫び ∽∽∝∽∝∽∽∽∽∽∝∽∽∽∽∽∝∽∽∽∽∽∽∽∝∽ 前号で、購読者数2,000人突破を記念してプレゼントを企画していると 記しましたが、今回準備が間に合いませんでした事を、お詫びと共に申 し上げなくてはいけません。 特に、楽しみにしている旨のお便りを下 さった皆様、申し訳有りません。次号までには何とか致しますので、も う1週間ご猶予を<(_ _)> …………………………………………………………………………………… ■ご意見、ご感想、ご質問などお待ちしています!  ご意見などは、極力紙面に反映させます。  ご連絡いただいた内容は、特におことわりを頂かない限り、弊誌上で  編集の上紹介させていただく場合がございます。お名前、mailアドレ  スは、特にご希望が無い限り掲載致しませんが、お名前をお書き添え  頂ければ幸いです。 匿名性はネットの利点とはいえ、コミュニケー  ションを名乗らずに図るのは、私にとって苦痛なのです。ニックネー  ムも合わせてお書きいただいた場合には、そちらは掲載いたします。 宛先: 福本 修 mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp  ご質問へのお応えは、業務上の必要や、個人的な興味からの疑問にお  応えするべく行っているものです。第三者への電子メールによる回答、  公開に利用する事はお断りしております。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 34号 2000/06/13 ■Web site  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ ■配信システム:『まぐまぐ』 ( http://www.mag2.com/ ) ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセル  をしていただき、新アドレスをホームページより新規申し込みとして  ご入力下さい。 ■購読解除  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/mag_cancel.html ■発行人:福本 修  mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp ■(C)Copyright 2000 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。 ……………………………………………………………………………………