▼ INDEX 1.類似石とは 2.カナダの楓 3.宝石学Q&A 4.Picked up News …………………………………………………………………………………… ◆1.類似石とは ∽∝∽∝∝∝∽∝∝∽∝∝∝∽∝∝∝∽∽∽∽∝∽∽ 模造石、イミテーションの類義語です。字が表すように、ある宝石を模 した宝石材を指します。人造物の場合も、また天然石でより高価な天然 石を模す場合もあり、後者の例としてはダイアモンド類似石としての無 色のジルコン(天然石)が挙げられます。 ダイアモンドの類似石として今注目が集まっているのは、合成モアッサ ナイトでしょう。これはキュービックジルコニアと違い、ダイアモンド テスター(熱慣性テスター)(針で石の表面を触るとダイアモンドか否 か直ぐ分かる小さな機器)では鑑別できませんが、複屈折性であるため ルーペひとつあれば鑑別上の問題は何もありません。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆2.カナダの楓 ∽∝∝∝∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝ カナダ、オンタリオ州で結婚式を挙げた友人が、写真を送ってきた。紅 葉で燃えるような色をした楓(かえで:メープル)を背景に新郎新婦が 写っている。ふたりとも少し気負ったような表情をしていて初々しい。 そういえば、楓の葉を刻んだダイアモンドがあることを思い出した。 カナダ、ノースウェスト準州にあるエカティ鉱山。同国最初のダイアモ ンド鉱山として、今年1月、華々しくデビューを飾った。手帳を見直す と、1月の最初の公式販売記録として、[販売量:68,500 cts]、[販売金 額:850万ドル]とある。この鉱山が7月、直販する研磨済みダイアモン ドには、カナダのシンボル、メープルリーフをレーザーで刻むと発表を 行った記憶が"カナダからの手紙"(ラブレターではないけれど..通じる かしら?!)で呼び起こされたのだ。ブランド化戦略なのだろう。 カナダ贔屓の私としては、友人の幸せな結婚生活と共に、エカティ鉱山 の発展を願っている。 *同鉱山は産出量の35%をデ・ビアスに販売する。メープルリーフの刻 印が施される可能性のあるのは残りの65%の内、自社で研磨する分であ ろう。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆3.宝石学Q&A ∽∝∝∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝ Q: どこかで聞いたのですが、時計の中にルビーが使われているというのは 本当でしょうか。手巻きでスケルトンの時計を見ると、歯車の中心に赤 い色が見えるのですが、それがルビーなんでしょうか。金属は摩擦熱に 弱く摩滅しやすいので、歯車の軸にルビーを使うという話なんですけど。 高い時計なら納得できるんですが、安い時計を見ても歯車の中心が赤い ので、あれが全部ルビーとはちょっと信じられないと思っていたのです。 A: 勉強不足で申し訳ないのですが、時計中にルビーを使用しているという 記述はメーカーの案内書で読んだことはありますが、それを自分で確認 したことはございません。 しかし、ルビーの高い耐久性を考えると、摩滅が少ないルビーを歯車の 軸に使用するのはロジカルだと思います。その場合は、正確には合成ル ビーを使用するのでしょう。合成ルビーとは人造で、天然ルビーと同じ 性質を持った結晶です。 合成ルビーの製法は数種類ありますが、もっとも廉価な方法で製造した ものならば、私などが小口で購入しても1ctあたり数百円程度で購入で きます。自社で製造すれば、もっと安くできるのでしょうから、廉価な 時計の部品に使用しても不思議は無いと思います。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆4.Picked up News ∽∝∝∝∝∽∝∽∽∽∽∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝ エカティ鉱山、2月から12月末までの生産量を発表。 総生産量:1,767,000 cts 総 売 上:2億8,900万ドル http://www.diamet.com/version2/pressreleases/991214.html ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ …………………………………………………………………………………… ■ご意見、ご感想、ご質問などお待ちしています!  宛先 ofukumot@yk.rim.or.jp  ご意見などは、極力紙面に反映させます。  ご連絡いただいた内容は、特におことわりを頂かない限り、当誌上で  編集の上、お名前(あるいはニックネーム)と共に紹介させていただ  く場合がございます。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 11号 1999/12/21 ■Web site  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ ■配信システム:『まぐまぐ』 ( http://www.mag2.com/ ) ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更  mailto:mag2info@tegami.com ■購読解除  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/mag_cancel.html ■発行人:福本 修  mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp ■(C)Copyright 1999 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。 ……………………………………………………………………………………