[宝石学の世界]--Vol.253-20060314 1. メレバンク・カフェ(3) - メレーの品質ってなんだろう? 2. 多色性・たしきせい・たしょくせい 3. ジュエリーニュース - JJAジュエリーデザインアワード2006 - ☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ 1. メレバンク・カフェ(3) - メレーの品質ってなんだろう? ∽∽∽∽∝∽∝∽∝ 修理やリフォームで数十年前のジュエリーを目にする機会がよくあります。ダイヤの カッティング技術は進んだな、という感想を持つことが多いです。クラリティーの良 い石でもカットはイマイチというものが殆どですから。ではメレーの品質が平均的に 昔より高くなっているかというと、これが違うんですね。 これは1個石にも、メレーにも言えることですが、カッティング技術は進歩しました が使用される原石の範囲は随分広くなっています。30年前に使われていたメレーの トップとボトムの価格差はせいせい2,3倍だったと思います。今では4,50倍に はなっているのではないでしょうか。昔のメレーには真っ白い石(キズが多くてテリ のない)、真っ黒い石(トリートではないカーボンだらけの)、濃い茶色の石等はあ まり見かけませんでした。 合成ダイヤにシェアを奪われた天然工業用ダイヤが宝飾用に転用されるようになった ことと、ジュエリーの大衆化がメレー品質の多様化を招きました。現在ではカラーも クラリティもサイズも様々なメレーが市場に存在します。どのようなメレーを使って ジュエリーを製作するか、どのような品質のメレーが使われたジュエリーを取り扱う かは宝石商にとって重要な問題であると思うのですが、意外と関心は高くないように 思われます。 メレーの品質を等級分けすることをアソートまたはアソートメントと言い、1個石の グレーディングとは区別しています。1個石のグレーディングではGIA方式という スタンダードが存在しますが、メレーのアソートにはスタンダードが存在しません。 業界のためにも、消費者のためにもメレーのアソートメントスタンダードを確立する 必要があると個人的には思っておりますが、その件に関しては別の機会に譲ることに してメレーの品質を見極める上で重要だと思われるポイントを述べます。メレーの品 質ってなんだろう? 色、キズ、カットこれはメレーの品質を見る時に重要な要素です。と同時にメレーは 複数で使われることが普通ですから.... ▼後略。記事全文は以下のページから左側のジュエリーコラムをクリック。 http://www.gem-land.com by 佐野良彦 株式会社サノ・トレーディング http://www.melee-bank.com/ ====PR:================================================================ ジュエリー・デザイナー藤井 純のアトリエ兼ショールームとして、1995年、 下北沢にオープンしたORO FAJIANO(オロ・ファジアーノ)。 すべてハンドメイドのオリジナル・デザインで、そのモダンで、完成度の高いフォ ルムと加工品質が、数多くの老若男女のファンを惹きつけています。 そのORO FAJIANOが、この度、日本的で粋な美しさのなかに柔らかなユーモアを感 じさせる、従来とまったく違った作風の帯留めを開発いたしました。日本に回帰 したORO FAJIANOの新しい作品世界、いまもっともホットな注目を集めています。 http://www.gem-land.com/jcja/orofagiano/obidome.htm オロ・ファジアーノ http://www.gem-land.com/jcja/orofagiano/ ========================================================================== ☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ 2. 多色性・たしきせい・たしょくせい ∽∝∽∝∽∽∝∽∝∽∽∝∽∝∽∽∝∽∝∽ 友人が溝の口にカクテルバーを開いた。今からおよそ10年前の事だ。開店祝いに訪 ねた私がカウンターに座ると、友人の愛弟子というバーテンダー氏が言った。 「本日はテキーラをフューチャーしたカクテルをお薦めしています」。 当時“何々をフューチャーする”という表現を初めて聞いた私。その言葉を「未来に 行ったテキーラのカクテル..か?なんだそれは?」と受けとめ、かなり混乱した。と りあえず「じゃあそのお薦めを」などと頼んでマルガリータを飲んだ。 基本的には 日本語なのに意味が分からない言葉を聞いたというその小さな衝撃体験と相まって、 飲んだマルガリータのキリリと冷えた美味さは今でも覚えている。 不思議なもので酔眼を寄り目にして考えていた時には分からなかったけれど、店を出 た直後に合点した。 「ああ“フューチャー”と“フィーチャー”を混同していたのだな」と。 スペルは[feature]。つまり「テキーラをメインに据えたカクテル」という意味であっ たのだ。 昨今、テレビ番組では有名大学出であろうアナウンサー達の多くが「今日の番組では 何々をフューチャーしてお送りします。」などと言っている。もう分かる。何々を特 集した番組だ。しかし、なぜこの誤った発音が直されることもなく、少なくとも10 年以上メディアで流され続けているのかが不思議でしょうがない。 [feature]とは“フィーチャー”と発音するのであって、決して“フューチャー”な どとは言わない。しかし、余りに多くの人が堂々と“フューチャー”と発音している のを見聞きすると、あるいは私が間違っていたのか?などと不安になって辞書で発音 記号を確認したり、果てはgoo辞典(※)で発音を実際に聞いて確かめてみたりする 始末。 幾人かの読者諸氏にとってはこの話、「へー。そうなんだ。」という反応があったか もしれない。実は最近、私自身も目から鱗が落ちる恥ずかしい事実を知った事を告白 しなくてはならない。その単語とは“多色性”。 多色性(※2)とは方向によって異なる色を呈する宝石の性質で、多くのカラード  ストーンが有するもの。さてこの単語、皆さんは何とお読みになりますか?私は “たしょくせい”と読んでいた。しかし先日ある方からその読み方を尋ねられた為、 念のためと思って地学事典(平凡社)を引くと“たしきせい”となっているではない か。 私の知る範囲でいえば、宝飾業界の大多数が“たしょくせい”と言っている。これは “フューチャー”と“フィーチャー”宜しく混同なのか?あるいは宝飾業界固有の用 語として市民権を得た読み方と言うことができるのか?皆さんはどう思われますか? まあそのようにいっても、地学事典で“たしきせい”と記している以上、それが正し いのだろう。多色性を説明した私のウェブページ(※2)もひっそりと修正した。 ▼ご意見、お待ちしています。 http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html (※)goo辞典 http://dictionary.goo.ne.jp/ (※2)多色性 http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ha/pleochroism.html ☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ 3. ジュエリーニュース - JJAジュエリーデザインアワード2006 - ∝∽∝∽∝∽ 社団法人日本ジュエリー協会が主催するジュエリー・デザイン・コンテスト、JJA ジュエリーデザインアワード2006では応募を受付けている。 応募部門にはプロフェッショナルゾーンとフレッシュゾーン(新人、学生対象)があ る。 プロフェッショナルゾーンは3部門あり〆切は7月6日(持参の場合は7日)。 第1部門は“パーティーシーン”。これはフォーマルな席・ファッショナブルな装い にふさわしいジュエリー。 第2部門はフリータイムやビジネスシーンなど、普段使いできるジュエリーを競う “カジュアルシーン”。 第3部門の“クラフト&ギフト”は「For MEN・・・男の小物」をテーマとした ジュエリー。 フレッシュゾーンでは、まず2006年4月24日(月)を提出期限とするデザイン 画の選考がある。デザイン画入選者は7月6日(持参の場合は7日)を期限に作品を 提出し、審査を受けることとなる。 ▼詳細。以下のページから左側のジュエリーニュースをクリック。 http://www.gem-land.com ☆∽∝∽∽★∝∽∽∝∽∝☆∝∽∽∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ※敬称を省略しました。 宝石に関するご質問や弊紙に対するご希望などをお寄せ下さい。 http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html ※画像をお送り頂いても宝石鑑別はできませんのでご遠慮下さい。 ====★宝飾業界関係者様★=========☆発行人の会社が運営しています☆=========== インターネット上の業者証、もうご取得ですか? ▼ 無料の業者証『ジュエリートレード・ロックID』のご申請はこちらです。 http://jtls.net/about_id.html ▲ 複数のジュエリー業界B2Bサイトに共通のID&パスワードでアクセス可能 空枠、ジュエリーケース、地金製品、シェルカメオなどの仕入れが出来ます。 ============================================================================ ■まぐまぐID:0000017866 (一部の読者にはまぐまぐ様を経由せずに配信) ■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセルをして頂き、  新アドレスをホームページより新規申込みとしてご入力下さい。 ■購読解除   ■発行人:福本 修 ■(C)Copyright 2006 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。