[宝石学の世界]--Vol.223-20050329
INDEX
1. 宝石学Q&A - ブリオレット カット -
2. グベリン博士逝去
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◆ 1. 宝石学Q&A - ブリオレット カット - ∽∽∽∽∽∝∽∽∽∽∽∝∽∽∽☆
Q: マノン さん
はじめまして、宝石が大好きなマノンと申します。
いつも『宝石学の世界』を楽しく拝見しています。
今回はずっと気になっていた点につきお伺いいたします。
数年前から流行している「ブリオレット」というカットがありますが、
ブリオレットとは厳密にはどこまでのカットを指すものでしょうか。
検索すると一見形の異なるさまざまなブリオレットのアクセサリーが表示されます。
国内の天然石ビーズショップなどでは、同じカットを「ドロップ」などと称している
ことが多く混乱します。
宝飾業界では厳密にどういうことになっているのか、ご教授頂ければ幸いです。
A:
ドロップ、つまり“しずく”状の宝石の表面を、ファセットと呼ぶ小さな平面で囲む
ように研磨した形状をブリオレットと呼びます。日本では一般的ではありませんが、
同意語としてペンデロークという表現もあります。ファセットの形は、伝統的には三
角や洋凧形とされていましたが、現在ではステップ カット(※)の様に台形のファ
セットで囲まれた石もブリオレットと呼んでいます。
※ステップ カット
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/sa/step.html
ブリオレットを“ドロップ”と表現する事も誤りとは云えませんが、ドロップは本来
表面がファセットで囲まれているのではなく、球面となった宝石を指します。
ブリオレットの歴史は古く、1476年前後にベルギー北西部、ブルッヘのフラマン
人(オランダ語系の訛りであるフラマン語を話す人々)、ロドウィク バークエムの
考案とされます。
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◆ 2.グベリン博士逝去 ∝∝∽∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝∝∽∝∽☆
宝石学の重鎮、エドワード J. グベリン博士の訃報が入った。享年91歳。92
歳の誕生日の前日、3月15日に逝去された。
グベリン博士は1938年にチューリッヒ大学で鉱物学の博士号を取得し、その後ア
メリカのGIAで宝石学を学んだ後、家業である今日のグベリン ジェム ラボに入
社した。
博士の著書は多く、弊誌読者にも啓蒙された方は多いのではないかと思う。特に19
53年に上梓(じょうし)なさった「宝石鑑別に於けるインクルージョンの意味」
(訳は福本。原題はInclusions as a Means of Gemstone Identification)はこの分
野の初期のものであり高く評価されている他、現在でも市販されている
PHOTOATLAS of inclusions in Gemstonesではジョン コイブラ氏の顕微鏡写真を添え
て、インクルージョンから産出地や成因を判断するための貴重な研究成果を記してい
る。
謹んでご冥福をお祈りしたい。
グベリン ジェム ラボ
http://www.gubelinlab.com/
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http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html
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敬称を省略しました。
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■[宝石学の世界] 223号 2005/3/29
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■発行人:福本 修
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