▼ INDEX 1. ローズカット 2. ご投稿記事 - エメラルドとグリーンベリル - 3. 宝石学 Q&A - ローズ カットについて - 4. 宝石学 Q&A - アンダルサイトのカットについて - …………………………………………………………………………………… ====PR:発行人の会社が運営しています==================================== ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ☆宝飾専門電子商店街  あります!素敵な宝飾    ★ ジェムランド ★★☆ WWW.GEM-LAND.COM ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  http://www.gem-land.com/ 。o○。○o無料のリフォーム相談実施中o ○。○ ========================================================================== ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 1. ローズ カット ∝∽∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝ ローズカットとは、16世紀初期から19世紀にかけて人気を博した ダイアモンドのカッティング スタイル。ウェブページ上にイラストが あるが、平坦な底部から、頂点に向かいファセットがドーム状に配列し たものだ。 マクルのような平坦な原石からの歩留まりが良いのが特徴。  15世紀から導入されたテーブルカット、17世紀初頭から見られるよ うになったマザリン カット、あるいは17世紀中期に開発されたシン グルカットと比べると、ファイア(虹色の輝き)は少ないが、その高い ブリリアンシー(白色光の輝き)に魅力を感じる方も多い。 ファイアが少ないのは、底部が平坦なため、底部から漏れてしまう光が 多いためである。ローズカットと比較するとマザリン カットやシング ル カットの方が現代的なブリリアント カットに近く、石の内部で反 射し、観察者の眼に戻ってくる光が多い。つまり輝きの強いダイアモン ドとなる。 ▼ ローズカットのイラストは、[最近の更新項目]より http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 2. ご投稿記事 - エメラルドとグリーンベリル - ∝∽∝∽∝∽∝∝ 前号掲載の[宝石学 Q&A - グリーン ベリルは非クロム起因だけ?] に関し、いつも専門的知識に裏付けされたご投稿を下さる石野好男さん よりご投稿を頂きましたので、紹介します。 ご投稿ここから- - - 福本さんの解説の通り、この問題は長い話になってしまいます。この問 題の答えを深く知りたい方にはExtra Lapis English No2 Emeraldの P72〜P78を読んでみることをお勧めします。残念ながら日本語訳 はありません。その解説は福本さんのそれと矛盾するものではありません。 最終的には売る側の良識の問題だという福本さんのご指摘に賛成です。 もう一つ付け加えるなら、買う側の感性があると思います。エメラルド として売られていても、自分のイメージとしてはグリーンベリルなら、 エメラルドとして受け入れなければいいと思うのです。 私は20カラットの無色トルマリンを持っています。この石はある収集 家が、全くの無色とは言えないと見限った石でした。 私の目には十分 無色でした。 収集家が見限ったおかげで私は大変安い値段でその石を 買うことができました。失礼な譬えかもしれませんが、ある男性に振ら れた女性でも、自分にとっては理想の女性という場合もあるはずです。 前述の本の中にもこんな一節があるので紹介します。 「故ダグラス最高裁判事は、よくこう言ったものです。私はポルノグラ フィーという言葉を定義できません。でも、それは見れば分かります。」 宝石のネームバリューに振り回されず、その宝石の真の価値を見取る力 が消費者にも必要ではないでしょうか。 石野好男 - - - ご投稿有り難うございました。 皆様からのご投稿を歓迎いたします!ご自身の宝石にまつわるご経験や ご意見を4,000人とシェア(共有)しませんか? コレクション自慢など、なんでも大歓迎です。 ご希望の無い限りお名前(明らかにニックネームの場合は掲載)は掲載 しませんが、ご希望の場合にはお書き添え下さい。メールやURLの表 記も可能ですので、あなたのHPの宣伝にもなります。 尚、掲載に当 たっては編集を加えることがあります。 また、掲載が適わない場合も ございますので、ご了承下さい。  ▼ 連絡先 ofukumot@yk.rim.or.jp ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 3. 宝石学 Q&A - ローズ カットについて - ∝∽∝∽∝∽∝∽∝ Q: 自分は今まで、ダイヤモンドは嫌いだったのですが、先日アンティーク のローズカットされたダイヤモンドの輝きを見て認識を改めました。 精巧にカットされすぎたブリリアントカットによるダイヤモンドのぎら ぎらした挑戦的なフャイヤーが嫌いなだけで、オールドマインカットや ローズカットを施されたダイヤモンドの控えめだけど、時々きらりと輝 いてみせるきらめきは大好きだということに気づきました。 それで、ダイヤモンドが好きになったので、ローズカットをあしらった オリジナルのジュエリーが作りたくなったので、ルースを手に入れたく なりました。しかし、当然アンティークカットのダイヤは普通の宝石店 では売っていないので、ルースを扱う会社に原石を選んでローズカット していただけないかという旨の質問をしました。会社からは以下のよう な返事を頂きました。 1〜3は会社の回答です。  1.単にローズカットというと11種のカット群の総合的な名称なので、    例えばハーフダッチローズカットというように詳しい名称を指定    してください。    カットの種類によってはカッターを選定しなければいけませんの    で、時間がかかる場合があります。又は不可能な場合があります。  2.ダイヤモンドでローズカットするのは現代では不可能です。    その他の宝石でもローズカットに向く石であるか調べないとカッ    トすることはできません。カットに向かない宝石の場合はご了承    ください。  3.原石を指定してカットをオーダーするとキャンセルがききません    ので、基本的にはお勧めしません。   それで上記1,2の回答についてお教えいただきたいと思いましてメー ルしました。 1)についてなのですが、自分もハーフダッチローズカットぐらいしか 名前をしらなかったので、ローズカットというとダッチローズカットの 略したものだろうと勝手に思っていましたので、ローズカットに11種類 もあると知り、大変驚きでした。 それで、11種類のローズカットの名称とカットの絵がお分かりいただけ たらお教えいただけないでしょうか?質問した会社も3種類ぐらいしか 詳しい名前を知らないみたいだったので・・・。 2)についてですが、昔できた宝石のカットなら今の技術でもできるは ずと思っているのですが、現在ダイヤモンドでローズカットができない のは別の理由からなのでしょうか?(ローズカットすると歩留まりが悪 いとか) A: 私はカッターではありませんので、その点をお含み置きの上ご笑覧をい ただき、認識不足事実誤認などありましたら、その筋の方はご教示下さい。 さて、宝石宝飾大事典(近山晶/近山晶宝石研究所)を開くと、次の11 のローズカットに関する記載があります。 コモン ローズ カット スリー ファセット ローズ カット シックス ファセット ローズ カット アントワープ  ローズ カット ハーフ ダッチ ローズ カット フル ダッチ ローズ カット ダブル ローズ カット ダブル ダッチ ローズ カット ボート シェイプド  ローズ カット ペア シェイプド ローズ カット クロス ローズ カット ※ウェブページで本日掲載したイラストはハーフダッチ。 ただ、これら11のカットは、ローズカットの一部が例示されているも ので、近山先生がそのように記しているとおり、全てのローズカットを 網羅している訳ではありません。例えば、ボート シェイプド ローズ カットは、マーキス シェープ、そしてペア シェイプド ローズ カット はペア シェープのローズカット全般を指すものですから、ペアシェー プド ダブル ローズカットや、オーバル シェープド ローズカット などもあり得るわけです。さらに、歩留まりを考慮するならば、上記以 外の、いわばモディファイド ローズ カットと言うことのできるもの も無数に生み出されることとなります。 実際にカットをする際には、原石の形やインクルージョンの位置によっ てどのようなローズ カットにするかが決定される事となりますので、 事前に「何々ローズカット」と指定してカットを依頼する事は、費用対 効果の面からは一般的ではないでしょう。予算を気にせず望む形にカッ トするならば別ですが。 ローズカットにダイアモンドを加工できる出来ないの問題ですが、もち ろん技術的には可能なことですので、お望みのものを入手できるかどう かは、手配のために骨を折ってくれる人を見つけることができるか、ま た予算を気にせずに依頼できるかという点にかかっているといえましょう。 ローズカットのダイアモンドは普通に流通しているものではありません から、特別に注文することとなります。この場合、研磨に要する費用は 通常のダイアモンドのような訳にはいきません。 通常のダイアモンド(数キャラットもある大きな石であるとか、ファン シー カラーのような高価なダイアモンドを除いた、普通に流通するダ イアモンド)のカッティング工程は自動化されている部分が多く、また 手作業で作業を行うにしてもそれほどの訓練を必要としない流れ作業で 研磨作業を進めることができます。 このため、低い人件費で研磨を行 うことが出来るのです。 しかし、ローズカットを行う場合には流れ作 業でカットを施すことは適わず、1石当たり数百万円で取り引きされる ダイアモンドを加工する職人が腕を振るうことになりましょうから、そ の研磨作業に対する支払いは、決して小さなものとは成らないと思われ ます。 ダイアモンドは自然界で最も硬い鉱物ですから、研磨時にはダイアモン ド結晶の結晶方向などに関する知識が必要です。従ってダイアモンドの カッティングは特異なもので、カラード ストーンをローズカットに加 工できる職人ならば、ダイアモンドでもローズカットに加工できると一 概にいう事はできません。 上記の点が、「ダイヤモンドでローズカットするのは現代では不可能で す」という応えにつながっているのかも知れません。 ▼ ローズカットのイラストは、[最近の更新項目]より http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 4.宝石学 Q&A - アンダルサイトのカットについて - ∝∽∝∽∽ Q: アンダリュサイトについてお伺いしたいのですが、自分はアンダリュサ イトで耳からぶら下がるタイプのイアリングができたらとても素敵だな と考えているのですが、アンダリュサイトにビーズカットやドロップ カット、ブリオレットカットを施しても多色性は損なわれないで済むで しょうか? A: 多色性とは、結晶自体が持つ特性ですから、カットによって損なわれる ことはありません。ただし、原石の石取り(原石からどのように研磨石 を切り出すか)によって現れる多色性の見え方異なりますので、事前に カッターに相談することが必要と思います。同じ原石からカットしても 石取りによってずいぶんと違う印象に仕上がりますので。 また、アンダルサイトの硬度は宝石として十分なものですが、割れに対 してはそれほど強いものでは有りません。したがって、石が剥き出しに なるブリオレットのイアリングの場合、それを落とした場合、石が損傷 を受ける可能性が高いので注意が必要です。 ▼ アンダルサイト http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/andalusite.html ▼ 多色性 http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ha/pleochroism.html ====★宝飾業界関係者様★=========☆発行人の会社が運営しています☆========= インターネット上の業者証、もうご取得ですか? ▼ 無料の業者証『ジュエリートレード・ロックID』のご申請はこちらです。 http://jtls.net/about_id.html ▲ 複数のジュエリー業界B2Bサイトに共通のID&パスワードでアクセス可能 ========================================================================== …………………………………………………………………………………… 敬称を省略しました。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 152号 2003/03/11 ■Web site   ■配信システム:『まぐまぐ』  ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセル  をしていただき、新アドレスをホームページより新規申し込みとして  ご入力下さい。 ■購読解除   ■発行人:福本 修   ■(C)Copyright 2002 by Osamu FUKUMOTO. 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