▼ INDEX 1. 宝石学Q&A - 鑑別機関での仕事 - 2. 宝石学Q&A - ルビー中の黄色い内包物 - 3. Picked up News - ティファニー、独自の研磨工場をカナダに - …………………………………………………………………………………… ====PR:発行人の会社が運営しています==================================== ジュエリーメーカー? 宝石店? 便利なホスティングサービスはこちらですo ○。○o 。o ○。○ http://jtls.net/ ========================================================================== ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 1. 宝石学Q&A - 鑑別機関での仕事 - ∝∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝ Q: 鑑別機関での仕事に興味があるのですが、鑑別の仕事をするには、GIA のGG(※)の資格をとらなければ、やはり難しいのでしょうか? 専門学校で勉強しようかとも考えているのですが、GIAのスクール 以外はあまり意味がないのでしょうか? インターネットで検索してみても、なかなか鑑別の仕事については掲載 されておらず、実態が掴めないのも不安の一つです。 鑑別の仕事について、少し教えていただけないでしょうか。 ※GG(発行者注釈):  Graduate Gemologistの略。カリフォルニア州からの助成金も受ける  アメリカに本校のある専門学校GIAのGraduate Gemologist Program  を終了すると与えられるタイトル。日本ではGIA JAPANで  受講可能。 A: GGは立派なタイトルであると共に、宝石学の知識を系統だって学ぶ事 のできるものですから、お薦めする事ができます。ただし、GGの勉強 だけが宝石学を学ぶ手段という訳ではありません。 鑑別機関へのご就職を念頭にしていらっしゃるのでしたら、大手鑑別機 関では、独自の教育プログラムをもっているところもありますので、 GGをお持ちでなくても、そちらの教育プログラムを終了することで、 その鑑別機関に就職できる可能性は有るのではないかと思います。 GG以外で国際的に通用するタイトルと云えばFGAがあります。 FGAは日本では全国宝石学協会で学べます。 鑑別機関系列以外のジュエリースクールで宝石学を学んだ際の鑑別機関 への就職に関しては、あいにく分かりません。以下、2つ程URLを示 しますので、必要に応じてお問い合わせになってはいかがでしょうか。 ▼ 日本ジュエリーアカデミー http://www.jja.co.jp ▼ 日本宝飾クラフト学院 http://www.jj-craft.com 鑑別機関での仕事は、その機関の特性に大きく左右されると思います。 一部の色石に強い鑑別機関を除き、多くの鑑別機関では、ダイアモンド のグレーディング(クラリティなどを判断する)が主な仕事になるはず です。 ダイアモンドのグレーディングは、根気の要求される仕事です。個人的 には職人肌の人に向いているかな、と思っています。 鑑別機関での仕事内容については、鑑別機関をもっているスクールの学 校説明会に行き、直接お尋ねになってはいかがでしょうか。 事前に、 例えば「グレーディングの実務に就いている人に話を聞きたい」等と 伝えておけば、あるいは適うかも知れません。 おっしゃって居られるGGの場合、GIA JAPANで取得できますが、 こちらはラボ部門としてAGTジェムラボラトリーがあります。以下の ページから説明会などに申し込めます。 ▼ GIA JAPANの学校説明会申込 http://www.giajpn.gr.jp/youkou/setsumei.html ▼ GIA JAPANの体験入学 http://www.giajpn.gr.jp/taiken.html ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 2. 宝石学Q&A - ルビー中の黄色い内包物 - ∝∽∝∽∽∝∽∽∝ Q: 先日あるお店でルビーをルーペで見た際、内部に黄色みを帯びた内包物 が見られました。例えると、透明なプラスティックの亀裂部分に黄色い 透明な接着剤を注入したような状態です。 お店の説明では、フェザー(※)などのインクルージョン部分が光の あたり方によって黄色に見えたりすることもある、とのことでしたが、 一般的にこのようなルビーのインクルージョンは他に何である可能性が あるのでしょうか? 例えば、酸化鉄などの可能性もあるのでしょうか? ※フェザー(発行者注釈):  宝石中の割れを指します。場合によっては「鳥の羽」のように見える  ことから、その様に呼ばれています。 A: 酸化鉄の可能性はあります。酸化鉄によるシミは、錆色ですから、光沢 はなく、不均一な色の濃淡がある事が一般的です。 エメラルド中の亀裂からオレンジ色の光が、有る角度(観察している側 とは反対側のファセットを光らせた状態で見えるのが一般的)でだけ見 える場合、合成樹脂による含浸を示唆しますが、ルビーへの、ルビー オイルと呼ばれる有色オイルの含浸処理は聞くものの、合成樹脂による 含浸処理が一般的に行われるか否かは、私は存じません。可能性はある のでしょうが。 以上、ご参考まで。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 3. Picked up News - ティファニー、独自の研磨工場をカナダに - 弊誌でも既にお伝えしたように、ティファニーは、カナダのダイアモン ド鉱山「ダイアヴィック」から、年間最低5,000万ドルのダイアモ ンドを購入する事で同意をしているが、この度、それらのダイアモンド 原石を研磨するため、自社の研磨工場を設立する予定であることを発表 した。予定地の詳細は未発表ながら、ノースウェスト準州内になるとの こと。研磨作業員の生活環境を考えると、恐らく州都イエローナイフ近 郊であろうと予想する(イエローナイフとダイアヴィック鉱山とは約 300km離れているが、鉱山周辺は厳しい自然環境の僻地にある。鉱 山会社が建設した鉱山作業員用の施設が唯一の文化施設である以上、 研磨作業員用に新たな施設を建設するよりは、原石を町に運んで加工し た方が経済的であろう)。 ノースウェスト準州では、当地で採掘及び研磨が施されたダイアモンド に、州知事の署名入り産地証明を発行している。今回の発表は、ティ ファニーが、産地証明をつけてカナダ産ダイアモンドの販売を行うとい う表明であるととれる。 現在当地で唯一稼働しているエカティ鉱山の 場合、複数の研磨会社がイエローナイフに進出し、研磨を行っているが 現地の処理能力(捌ける数)には限界があり、原石の多くはアントワープ でも加工されている。つまり、この上ダイアモンドヴィック産の原石が 流入しても、現在の研磨体制では処理仕切れないため、ティファニーと して、自社の研磨工場が必要となったのだろう。 ダイアヴィック鉱山は来年に稼働予定。現在までに4本の有望なダイア モンディフェロス パイプ(ダイアモンドを含む一次鉱床)が発見され ており、順次採掘を開始するが、ピーク時には年間600万キャラット の産出し、総埋蔵量は1億200万キャラットと見込まれる。総投資額 約1,084億円の巨大プロジェクトである。 ダイアモンドのブランド戦略がはじまろうとしている。「ブランド  ダイアモンド」(Branded Diamond)として表現されるようになったが、 「デ・ビアス」「エカティ」「カナダ産」「オーリアス」などのブランド は、現在までに最も成功した「ブランド ダイアモンド」のひとつ、 「ラザール キャプラン」のように市場に受け入れられるかどうか、 興味深い。 ▼ ダイアモンドヴィック鉱山の地図、詳細 http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ta/diavik.html ▼ ノースウェスト準州の産地証明書の写真 http://www.gem-land.com/column/certificate.html ====★宝飾業界関係者様★=========☆発行人の会社が運営しています☆========= インターネット上の業者証、もうご取得ですか? ▼ 無料の業者証『ジュエリートレード・ロックID』のご申請はこちらです。 http://jtls.net/about_id.html ========================================================================== …………………………………………………………………………………… 敬称を省略しました。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 137号 2002/10/16 ■Web site   ■配信システム:『まぐまぐ』  ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセル  をしていただき、新アドレスをホームページより新規申し込みとして  ご入力下さい。 ■購読解除   ■発行人:福本 修   ■(C)Copyright 2002 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。 ……………………………………………………………………………………