ミャンマー、モンスー産のルビー。この地方産のルビーは色ムラ(カラーゾーニング)が強いのが特徴。写真の石からも六方晶系であることを示す六角形の同心円状のカラーゾーニングが観察される。現在世界を流通する大量生産されるジュエリーに用いられるルビーの多くはモンスー産である。
海外の土産物で購入する際は注意!
ルビーの類似石、サファイアと合成ルビーのダブレット(張り合わせ石)。
海外の土産物屋などで、天然ルビーとして販売されている例を目にしますが、実際にはクラウン部分(ファセットの名称)に天然グリーンサファイア、パビリオン部分にベルヌイ法による合成ルビーを用いた張り合わせ石です。石の上部はグリーンですが、大部分は赤色の合成ルビーですから、真上(フェースアップ)から観察すると石全体がレッドに見えます。
枠に留まっていてもルーペで拡大して観察すればグリーン サファイアと合成ルビーの接合面に気泡などが観察できますからそれと分かります。
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鉱物種、コランダムの内、レッド カラーを有するものをルビーという変種名で呼びます。
- 結晶系:六方晶系
- 化学組成:Al2O3
- 屈折率:1.762-1.770
- モース硬度:9
- 比重:4.00
- 着用時の注意:特になし
誤称・流通名・鉱物学名・商標:
- 産地名を冠して、例えばビルマ ルビー、タイ ルビーなどと呼ばれる事があります。
語源:
- ruber(ラテン語)。赤の意味です。
処理:
- 熱処理(一般的)、赤色オイルによる含浸処理、ガラス充填処理、熱処理、拡散処理。
一般的に行われている熱処理の検知には、拡大検査が最も有効。部分的に融解したシルクやディスコイドフラクチャーは熱処理を示します。
誕生石:7月
類似石・鑑別時留意すべき石:
- サファイアと合成ルビーのダブレット(左下のグラフィック)、アルマンダイトガーネット、パイロープガーネット、ガーネットとガラスのダブレット。
宝飾用合成石:
- 有り。流通している合成結晶の大部分はフレームフュージョン法に因る。他、結晶引き上げ法、水熱法、フラックス法もあります。
産地:
- タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、スリランカ、タンザニア、ロシア(ウラル山脈)など。
- ミャンマーのモゴク地方は「ピジョン ブラッド」と呼ばれる色目の、最上質のルビーを産することで知られています。
その他:
- アステリズム(スター効果)を示すものはスタールビーと呼びます。
>> スター ルビーの選び方
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