▼ INDEX 1. 宝石学 Q&A - 合成石ダイアモンドの判定ミス - 2. Picked Up News - ジェムランド、リフォーム相談を開始 - 3. Picked Up News - BHPがダイアモンドのリテールを開始 - …………………………………………………………………………………… ====広告================================================================== ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ☆宝飾専門電子商店街  あります!素敵な宝飾    ★ ジェムランド ★★☆ WWW.GEM-LAND.COM ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  。o ○。○o宝石オークション開催中。o ○。○ ========================================================================== ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆1. 宝石学 Q&A - 合成石ダイアモンドの判定ミス - ∽∽∝∝∽∝ Q: いつも、『宝石学の世界』楽しく拝読させていただいております。 申し訳ありませんが教えて頂きたくmailしました。 ダイアモンドの屈折率が2.41との記述がホームページにありましたが 9月26日のVol47で触れている合成ダイアモンドの場合も屈折率は 2.41になるのですか? また鑑別機関であれば、高度な機器を使って鑑別を行うとの事ですが、 鑑別機関は鑑別するダイアモンド一つ一つに対して、この高度な 機器を使って鑑別判定をするのでしょうか? 前に宝石店で聞いた話ですと、免許を持っている人の目で判定する? と言うようなことを聞いたことがあり、漫然と判定誤差が相当有るの だろうな〜と、思っていたのですが。 A: ご連絡ありがとうございます。福本です。 合成ダイアモンドの屈折率も2.41です。 全ての鑑別機関ではありませんが、いくつかの鑑別機関は1石あたり1 分足らずで天然か、あるいは合成の疑いがある石かどうかを判別できる 機械をもっています。この機械はデ・ビアスの研究所が開発したもので すが、これをもっているラボ(鑑別機関)では、恐らく全てのダイアモ ンドを検査している事でしょう。この機械で9割以上は白、と出ます。 疑わしい石は他のもう少し検査に時間のかかる機械を用いて更に調べる 事が出来ます。前者は分光検査の一種で、検査結果の判断に練度は必要 ありません。後者は電磁波(可視光線よりもっと短い波長。非公開)に より検査石の成長領域を観察しますが、こちらは検査結果を読みとる力 が必要です。ただこの機械を使わなくとも、内部の特徴で天然石である ことが確認できる事が一般的です。いずれにせよ信頼の置けるラボなら ば、天然と合成ダイアモンドの判別を誤る事はないでしょう。また、宝 飾用ダイアモンド全体の流通量を考えれば、合成ダイアモンドの流通量 はごくごく僅かなものです。 「免許」についてですが、日本をはじめ多くの国では、ダイアモンドの グレーディングをするのに必要な免許と云うものはありません。極端に 云ってしまえば、グレーディングを行う会社が能力を認めれば誰でも行 うことが出来ます。実際には鑑別機関が独自にもつ教育機関の卒業生や、 国際的に名の知れた教育機関であるGIAのGGプログラムを修了した GG達が携わる事が多いと云えます。 グレーディング(カラーやクラリティ、カットなどの検査)の正確さに 関しては、仰ることはあたっている面もあります。 人が誤って侵すグ レード ミスもあり得ますが、良識のあるラボでは複数のグレーダー (グレーディングを行う人)による合意によってはじめてグレードが成 立しますので、その種のミスが発生しにくい体制にはなっています。 ただ、誤って侵す判定誤差以外にも、以前も書きましたが、いわゆる甘 いグレードという一種犯罪的な問題があります。日本は、例えばアメリ カと比べてラボが多すぎます。多すぎるラボで顧客を奪い合えばサービ スを競うことになります。値段や石の返却スピードも大切なサービスで すが、最も安直で、儲け主義や経営の上手くいっていないのラボ(大口 の顧客の意見に左右されやすい) が陥りやすいのは、いわゆる甘いグ レードのサービスなのです。例えば1〜5の等級があり、1が一番良い とします。3の値段で買ったものを2という等級を付けて売ることが出 来れば、正直に2の石を2の値段で売っている人より安く、そして厚い 利幅で売ることが出来ます。もちろんそのような甘いグレードが大多数 のダイアモンドに付けられているなどと云っている訳ではありません。 甘いグレードから、消費者はどのように身を守ればよいのでしょう。私 は、信頼できる、勉強熱心な宝飾店から購入することだと思います。 また甘いグレードを防ぐために、グレーディングレポートや鑑別書は宝 飾店自身の名前で発行するのが望ましい形だと私は考えています。しか し残念ながらこのような宝飾店は少数です。多く目に、また耳にする意 見は、宝石店の名前で発行してある鑑別書などは勝手なことが書けるの で信用できない、第三者である鑑別機関が発行したものこそ信用できる というものです。しかし本当にそうでしょうか?宝飾店の名前で発行し ていれば、間違っていれば良い訳が出来ない。必然的に宝飾店の名をか けて、慎重に対応するでしょう。日本、そしてアメリカに於いても、そ れぞれを代表する著名な宝飾店ですが、自社の名前で鑑別書、そしてグ レーディングレポートを発行している企業もあります。 実務に於いては、宝飾店内で鑑別業務やダイアモンドのグレーディング 業務を完結させるのは困難です。前述の著名宝飾店でもラボを利用して います。そしてラボの判断を自社で確認して、自社の責任に於いて独自 のレポートを発行しているのです。 宝飾店では、しばしば「何々鑑定機関の鑑定書付き」と高らかに謳われ ています。なにやらグレーディング機関を神格化してそれに頼っている ようで、どうかと思います。もっと宝飾店の販売者としての責任を明確 に伝えた方が消費者は信頼感を持つものですが。 話がご質問からずれ、また長くなりました。いずれ改めて続きを書いて みたいと思います。 ====広告================================================================== o。○o宝飾業界関係者様o ○。○o 。インターネットで仕入れをしませんか?o ○。o登録無料o。 ========================================================================== ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆2. Picked Up News - ジェムランド、リフォーム相談を開始 -∝∽∝ 宝飾専門の電子商店街ジェムランドでは、この度ジュエリーのリフォー ム相談を開始した。相談内容に対する応えは宝飾店や工房を経営する複 数の専門家から得られるため、リフォームを希望する人は複数の選択肢 から最も有利な提案を選ぶことが出来る。 相談はリフォーム、片側だけ無くしたイヤリングの復刻やオリジナル ジュエリーの制作依頼、時計の分解掃除のほか、指輪のサイズ直し、 ネックレスの糸替えと云った簡単なものも受けている。まずはメールで 簡単な見積もりを聞いて、実際に店に足を運ぶといった使い方もできる。 利用はまずユーザー登録を行い、次いで専用画面にアクセスする。専用 画面では、もし手持ちがあれば現状のジュエリーの写真を貼り付ける事 が出来る。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆3.Picked Up News - BHPがダイアモンドのリテール開始 - ∝∽∝ オーストラリアのミネラルジャイアント、BHPがダイアモンドの小売 りに乗り出した。同社は弊誌でもたびたび取りあげているカナダの新興 ダイアモンド鉱山、エカティ鉱山の筆頭株主であるBHPダイアモンド の親会社。 BHPは、同社の発表によれば10月25日、インターネット上にホー ムページ、オーリアス・ドットコムを開設、同日より産地と直結した研 磨済みダイアモンドの直販を始めている。現在はテレフォンショッピン グだけが機能しており、インターネット経由の販売は近日開始と告知さ れている。 このウェブサイトでは、ダイアモンドを価格、または大きさから選択す ると、該当する研磨済みダイアモンドの一覧表が現れる。 商品説明は クラリティ、カラー、ポリッシュ、シンメトリー、値段で、全てのダイ アモンドにはGIAのグレーディングレポートが取得されている。 値段はオーストラリアドル表記で、国内在住者を意識した内容だ。 GIAでは日本のようにカットグレードを表示しないためにポリッシュ とシンメトリーを表記したものと思われるが、プロポーションの表記は 無く、説明不足の感は否めない。 値段は特に驚くほどの設定ではないが、約1,300石の価格が表示さ れているため、一般消費者が大まかにダイアモンドの相場を調べるには 便利かも知れない。 ▼エカティ鉱山 ▼オーリアス・ドットコム ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ …………………………………………………………………………………… ■ご意見、ご感想、ご質問などお待ちしています!  ご意見などは、極力紙面に反映させます。  ご連絡いただいた内容は、特におことわりを頂かない限り、弊誌上で  編集の上紹介させていただく場合がございます。お名前、mailアドレ  スは、特にご希望が無い限り掲載致しませんが、お名前をお書き添え  頂ければ幸いです。ニックネームも合わせてお書きいただいた場合に  は、そちらは掲載いたします。 宛先: 福本 修   ご質問へのお応えは、業務上の必要や、個人的な興味からの疑問にお  応えするべく行っているものです。許可無く第三者への電子メールに  よる回答、公開に利用する事はお断りしております。必要な場合はそ  の旨ご連絡下さい。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 52号 2000/10/31 ■Web site   ■配信システム:『まぐまぐ』  ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセル  をしていただき、新アドレスをホームページより新規申し込みとして  ご入力下さい。 ■購読解除   ■発行人:福本 修   ■(C)Copyright 2000 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。 ……………………………………………………………………………………