▼ INDEX 1. ご投稿記事 - カルカンサイト結晶について - 2. ジェイドという言葉 3. Picked up News - ツーソン早耳レポート - …………………………………………………………………………………… …広 告………………………………………………………………………… ハイクオリティーを追求するホールハート・ジュエリークラフト http://www.w-heartjewel.com  …………………………………………………………………………………… ◆1. ご投稿記事 - カルカンサイト結晶について - ∽∝∝∝∝∝∝∝ 前号でとりあげたカルカンサイトに関して、小村浩夫様よりご投稿をい ただいた興味深い文章をご紹介いたします。 - ご投稿ここから ---------- 硫酸銅 CuSO4・5H2O はたいていの研究室にあるありふれた試薬ですが, 私の仕事(分光学)の分野では水溶液をガラスセルに入れて, 近赤外線 カットのフィルタとして使うことがあります. 昔,ビーカに入れた硫酸銅溶液に液体窒素(77K)を注いだところ(こん ないたずらをしてはいけませんが),きれいな青色の結晶が得られました. もちろんそれだけのことで,水溶性ですからかざりにもなりません.ただ のいたずらです.急冷したわけですから結晶性も悪く,ほんとにつくるな ら,他に手段はあります. 水溶性の結晶といえば,アルカリハライド(塩化ナトリウム=食塩を代表 とする,1族と7族の典型的イオン結晶)にX線や放射線を照射すると, 様々に着色されます.塩化ナトリウムの場合はまさに青色です. 色中心 (カラーセンタ)という名前がついていて,昔は固体物理学の大きな研究 分野のひとつだったのですが,いまは盛んではありません.もちろん応用 はまったくなし.純粋に物理学上の興味だけです. - ご投稿ここまで ---------- [by 小村 浩夫様] ご投稿ありがとうございました。改めて御礼申し上げます。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆2. ジェイドという言葉 ∽∽∝∝∝∽∝∝∽∝∝∽∝∽∝∝∽∝∝∽ Jadeと外国で言った場合、2つの宝石、翡翠(ヒスイ)とネフライト、 両方の意味がある。 前者を特定した英語はJadeite(ジェイダイト)。 鉱物学名はヒスイ輝石であり、通称硬玉(こうぎょく)。 後者は Nephrite。これは陽起石と透角閃石の繊維状結晶が織り込み状の構造を 成したもので、ネフライトの非常に高い靱性(割れ難さ)の源となって いる。軟玉(なんぎょく)ともいう。 翡翠の方が希少性が高く、したがって価値が高い。また最高品質の翡翠 はほぼ透明にも成り得、更にクロムにより強い緑色を示すものは[ろうか ん](作成しているPCでこの漢字が表記されないのでひらがなで失礼しま す)と呼ばれ愛好家垂涎の逸品。この語は中国語で青々とした美しい竹 を意味する。英語圏で[インペリアルジェイド]と表現されるのは西太后 が熱狂的とも言える収集癖を見せたことに由来するのであろう。 翡翠(ヒスイ)はカワセミとも読む。宝石名の語源である。空中から水 中にダイビングして魚を捕らえる様は豪快で、その美しい羽の色と共に 人気が高く、バードウォッチャー達にはお馴染みだろう。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆3. Picked up News - ツーソン早耳レポート - ∽∽∝∝∝∽∝∝∽ 今年もツーソンは熱気でムンムン。現地より今年眼に付いた最新情報を 少々お伝えします。 ●やはりありました。昨年から話題の高温高圧処理ダイアモンド(黄色  −緑色中心)。買うならGJXテントがお薦め。 ●アクア・オーラならぬシリコン蒸着クオーツを発見。白の基調地色に  イリデッセンスを示しています。 ●ジェイドとして販売される宝石「ダイアナイト」:誤りとも言えない  けれど...。 正体は青色角閃石だと思います。 [by 中村 紀子 / 宝石学の世界臨時特派員 / ツーソンより] ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ 弊誌に広告をご出稿下さっている、ホールハート・ジュエリークラフト 様宛に、私宛のメールが届いているとの連絡を頂いております。私への ご用は、下記のアドレスまでお願いいたします。 福本 mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp …………………………………………………………………………………… ■ご意見、ご感想、ご質問などお待ちしています!  宛先: 福本 修 mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp  ご意見などは、極力紙面に反映させます。  ご連絡いただいた内容は、特におことわりを頂かない限り、弊誌上で  編集の上紹介させていただく場合がございます。お名前、mailアドレ  スは、特にご希望が無い限り掲載しませんが、お名前を添えてのご連  絡を希望いたします。名前を名乗らずコミュニケーションを図るのは  奇異な気がするのです。ニックネームも合わせてお書きいただいた場  合には、そちらは掲載いたします。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 18号 2000/02/15 ■Web site  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ ■配信システム:『まぐまぐ』 ( http://www.mag2.com/ ) ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更  mailto:mag2info@tegami.com ■購読解除  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/mag_cancel.html ■発行人:福本 修  mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp ■(C)Copyright 2000 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。 ……………………………………………………………………………………