▼ INDEX 1.合成石とは 2.ご投稿記事 3.宝石学Q&A 4.発行人敬白 …………………………………………………………………………………… ◆1.合成石とは ∽∝∽∝∝∝∽∝∝∽∝∝∝∽∝∝∝∽∽∽∽∝∽∽ 天然宝石と、基本的に同じ組成と構造の宝石材を「合成石」と呼びます。 ほとんどは結晶ですが、合成オパールのように、非晶質物質(原子に規 則的配列がない)もあります。 メーカーによっては、オパールを除き再結晶という言葉を使っています。 人造結晶には合成石以外にも、YAG(イットリウム アルミニウム ガー ネット。ヤグと発音。レーザ素子のYAGと同じです)ように、自然界には 存在しない、人の作りだした結晶もあります。 宝石材として流通している合成石は多種ありますが、良く目にするのは 需要の多いスピネル、エメラルド、ルビー、サファイア、オパールの合 成石です。 変わり種では合成マラカイトというのもあります。コストから考えて、 何のために?という気もしますが、以前メーカーの方と話したところ、 建築材としての需要があり、平均すると月間300kg程度を生産してい るとの事でした。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆2.ご投稿記事 ∽∝∝∝∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝ 前号Q&Aにて掲載した、時計の部品に用いられるルビーに関し、小村 浩夫様より頂いたコメントを紹介します。 ----- 昔ルビーレーザの研究をしていたことがあるので,以下のやりとり(* 注:前号Q&A)に興味をもちました.おっしゃるように合成ルビーが時 計に使われています.それ以外に自動天秤のビーム等にも深い紅色の3 cmぐらいのルビーが使われます. Al2O3はアルミナとか結晶ではサファ イアと呼ばれ,不純物としてCr3+イオンが入ったものがルビーです.そ れはもちろんご存じのこと.合成のサファイアを使えばいいようなもの ですが,合成の場合,透明なサファイアよりはルビーの需要が多いので それが流用されるのでしょうね.レーザとしてはクロムイオン濃度の薄 いピンクのものでないとレーザ発振(赤色)しませんが,装飾には濃い 色のものが好まれるらしく,時計,天秤に用いられているものはきれい な濃い色です.いずれにしてもルビーレーザは,いまはほとんど使われ ていません.一般に固体レーザ材料はアレキサンドライトとか,フォレ ステライトとか宝石が多いんですよ.余分なコメントですが. [by 小村浩夫様] ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆3.宝石学Q&A ∽∝∝∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝ Q: パライバトルマリンについて教えて欲しいのです。 私は2年前くらいに、パライバトルマリンの指輪を買いました。1ct の原石も売っていたのですが、高くて手がでませんでした・・ 私のパ ライバトルマリンは2色性です。単色性と価値は変わらないのですか? それと、パライバトルマリンは1年しか取れなかった珍しい石なのです か?教えてください! A: パライバは綺麗ですよね! 私も好きな宝石のひとつです。 さて、「2色性」の件ですが、全てのトルマリンは「2色性」ですから ご安心を。 もし「2色性」を、異なる2色の地色が混在しているという意味でお使 いの場合、色の入り方によっては、一色のものより高く評価できるかも 知れません。 80年代にブラジル、パライバ州より発見されたことからパライバと 呼ばれ、現在でも産出があります。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆4.発行人敬白 ∽∝∽∝∝∝∽∝∝∽∝∝∝∽∝∝∝∽∽∽∽∝∽∽ 発行人の福本です。本年度は弊誌のご購読、ありがとうございました。 平たい言葉で、裏話を囁くスタイルでもなく、有り体に宝石の魅力をお 伝えする事を目的に発行している本誌ですが、如何でしたでしょうか? お陰様で日々色々なご意見、ご質問等を頂くことが出来、私も励みにな ると共に、勉強させていただいております。 来年度も、web共々皆様のご意見を吸収する形で発展させて参りたいと 思いますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。 良いお年をお迎え下さい 。 次回発送は1月12日発行の予定です。 …………………………………………………………………………………… 弊誌に広告を載せませんか? お気軽にお問い合わせ下さい。mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp …………………………………………………………………………………… ■ご意見、ご感想、ご質問などお待ちしています!  宛先 ofukumot@yk.rim.or.jp  ご意見などは、極力紙面に反映させます。  ご連絡いただいた内容は、特におことわりを頂かない限り、当誌上で  編集の上、お名前(あるいはニックネーム)と共に紹介させていただ  く場合がございます。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 12号 1999/12/22 ■Web site  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ ■配信システム:『まぐまぐ』 ( http://www.mag2.com/ ) ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更  mailto:mag2info@tegami.com ■購読解除  http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/mag_cancel.html ■発行人:福本 修  mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp ■(C)Copyright 1999 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved. ■記事を許可なく転載することを禁じます。 ……………………………………………………………………………………