▼ INDEX 1. 宝石学 Q&A - ガスピアイト - 2. 宝石学 Q&A - 非天然石とソーティング - 3. 宝石学 Q&A - 誕生石 - 4. 宝石学 Q&A - 黒や青のクオーツ - …………………………………………………………………………………… ====広告================================================================== 真珠の知識を深めたい? [月刊パールニュース]をお薦めします!! ◎ 連載記事等 ○ 真珠雑学ノート  ○ 仕入れ情報  ○ 鑑別室便り ○ よりよく売るためのワンポイント・アドバイス  ○ 歴史への旅 ○ 真珠販売のためのプロモーション講座 ○ パールジュエリーデザイン  ○ 真珠用語解説 ○ 真珠の世界の広がりを知るための参考 書案内、養殖場便り \3,000/年間 (送料無料) 真珠科学研究所がオンラインショップをオープンしました。 真珠関連図書、ビデオをお探しの場合、是非お立ち寄り下さい。 http://www.sinjuken.co.jp/publish/ ========================================================================== ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 1.宝石学 Q&A - ガスピアイト - ∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∝∽∝∝ Q: 私の手元にある石についてお伺いします。 ミネラルショーで購入したその石は「ガスピアイト」という名称で売ら れていました。 持ち帰って硬度などの特性を調べようとしましたが、 鉱物図鑑にもインターネットにも「ガスピアイト」の文字は見つかりま せんでした。 もしご存知でしたら硬度・化学組成・産地・インクルージョン等 「ガスピアイト」についての詳細を教えていただきたいのですが。 また、先日インターネット上の某ルース販売店で「マグネサイト カルセドニー」という見た目「ガスピアイト」にそっくりな石を見 つけました。これは違う鉱物でしょうか、それとも呼称が違うだけ でしょうか? A: Gaspeite の事かと存じます。もし違う石でしたらごめんなさい。日本 語の記述は見たことがありませんが、語源であるカナダ、Gaspe半島が ガスペ半島と訳されておりますので、以下ガスペアイトとして記します。 ◎ ガスペアイト ○ 典型的な色:黄緑〜緑 ○ 組 成:(Ni,Mg,Fe)CO3 ○ 結晶系:三方晶系(六方晶系) ○ モース硬度:4.5 - 5 ○ 屈折率:1.61 - 1.83 ○ 産 地:カナダ、ケベック州ガスペ半島 塩素系洗剤に可溶。耐久性が低い鉱物ですのでお取り扱いにご注意下さい。 ▼ ガスペ半島の地図(最近の更新項目、[ガスペアイト]より) http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/ マグネサイトカルセドニーについては、あいにく知識がございません。 何色なのでしょうか?マグネサイト インクルージョンのあるカルセ ドニー、という意味で用いられているならば、ガスペアイトとは別種の 鉱物です。ご存じ方がいらっしゃいましたら、ご教示下さい。 mailto:ofukumot@yk.rim.or.jp ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 2. 宝石学 Q&A - 非天然石とソーティング -∝∽∝∝∽∝∽∝∽ Q: 天然ダイヤでないもの(キュービックジルコニア等)を鑑別機関に 持っていって鑑定書作成の依頼を出した場合、鑑定書は発行さ れますか?それとも「天然ダイヤじゃありませんよ」と突っ返され ますか? すなわち、鑑定書あるいはソーティングの付いた石は必ず天然 ダイヤだと思っていいのでしょうか? A: 鑑別機関によって対応は異なるかと思います。が、一般的には、おっ しゃるような処理になるのでは無いかと思います。 グレーディングレポートやソーティング※が付いた石の場合、当該石が 確かにそのレポートやソーティングが行われた石であるならば(つまり 石が入れ替わっていない)、まず間違いなく天然石であると考えられま す。「まず間違いなく」という表現を使ったのは、万が一の鑑別間違い の可能性を考慮してのことですが、その可能性はとても低いでしょう。 正確には、ご利用予定の鑑別機関にお問い合わせ下さい。 ※ソーティングとは、グレーディングレポートの様な書類は必要ないが、  必要な箇所(クラリティや色、カット)のグレーディング機関による  判断が欲しい場合に用いるサービスです。石を入れる小さなビニール  袋にVVS2,E,Very Goodなどと記されます。グレーディングレポートに  比べて料金が低いので、業者間取引はソーティングが終了した状態  (ソーティング付き、と表現されます)で行われる事が多くあります。 ▼ 鑑定書やグレーディングレポートと云う用語について http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ka/apprisal.html ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 3.宝石学 Q&A - 誕生石 - ∝∽∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽ Q: 突然ですが、1月〜12月の誕生石を、教えてくださいませんか? それと、なぜその月がこの石なのか・・・・・・・・ A: アトリエchamさんのウェブページに、星座石とともに誕生石の一覧 があります。 http://www.a-cham.com/knowledge/3.html 「なぜその月がこの石なのか」については機会を改めて記させて下さい。 ☆∽∝∽★∝∽∝∽∝☆∝∽∝∽∝∽∝☆∝∽∽∝∽∝∝∽∝∽∝∽☆ ◆ 4.宝石学 Q&A - 黒や青のクオーツ - ∝∽∝∝∽∝∽∝∽∝∽∝ Q: 「水晶」 いわゆるクォーツですが、一口に言ってもその色や内包物 などで呼称は様々ですよね。 黄色い物をシトリン、紫の物をアメジスト、と、何も知らない人間から すれば少し不思議な印象を受けます。(ルビーとサファイア(でしたっ け)が色違いの同じ鉱石というのもなかなか驚きますが) ここで思った疑問なのですが、水晶には青いもの・黒いものはあるので しょうか?黒いものは何かで「近くにあった放射性物質の影響で黒くな る」と読んだ気がします。 が、青い水晶というのは聞いたことがありません。 貴サイトや他の宝石鉱物関係のサイトさんを見て周り、自分でも色々と 調べたのですがその事に対する記述は得には見当たらないのです。 わが身の勉強不足を思い知ると同時に、どうしてもその辺りを詳しく知 りたくなりメールした次第です。 もしご存知でしたら是非詳しい事を教えていただけませんか? 呼称、どういった状況で青くなる、それ以前にそのようなものは無い‥等。 A: 黒は、あります。実際にはとても濃い茶色であることが多いようです。 その場合、モリオン(MORION)とも呼ばれます。 人工的には30分ほどの照射処理(一般的にはコバルト60による)を 実施すると、ある程度茶色くなるようです。 不透明の場合は別ですが、透明なブルーの天然クオーツはありません。 合成クオーツでは、コバルトを色因とするブルークオーツがあります。 つまり [透明な青いクオーツ = 合成] です。 以下の「カブルド面を示すブルークオーツ」にある写真は、合成ブルー クオーツのものですが、すみません、この写真では青い色は分かりにく いと思います。 ▼ カブルド面を示すブルークオーツ http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ka/cobbled_face.html 青いクオーツの素性を考えるとき、次のものも考慮に値します。 ◎ 金属薄膜を石全体に蒸着させた処理を経たクオーツ   この処理はアクアオーラと呼びます。ブルーカラーとなりますが、   石の表面から虹色の光(イリデッセンス)が見えますので、一度で   もこの処理を経た石を見たことが有れば、それと分かります。 ◎ フォイルバックが施されたクオーツ   スター効果を呈するクオーツの場合、フォイルバックでないことを   確認する必要があります。裏側を見れば金属薄膜が肉眼で確認でき   ます。しかし石留めされてる場合、それは適いませんね。その場合、   色に注目します。クオーツに蒸着される金属薄膜の場合、青色の光   を透過します。つまり、石自体も青く見えます。ブルーカラーでス   タークオーツの場合、合成石と云うよりは、フォイルバッククオーツ   の可能性が高いでしょう。 ▼ クオーツ http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ka/quartz.html ▼ フォイルバック http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ha/foilback.html - - - 『色が違うのに同じ鉱物であるのは不思議』という疑問、ごもっともです。 以下のページに、関連記事がございます。 http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ha/how_to_distinguish.html 上記ページに加え、例えばルビーとサファイアを例に記すならば、 ◎ ルビーもサファイアも同じコランダムという種に属します。 ◎ 種、とは成分とその在り方(原子の種類と結合の方法)によって決   まります。 ◎ 純粋なコランダムは無色です。 ◎ 不純物として、一定量のクロムが混ざっていると赤く発色する可能   性があり、その場合ルビーと呼ばれます。 ◎ 不純物として、一定量のチタンと鉄が混ざっていると青く発色する   可能性があり、その場合(ブルー)サファイアと呼ばれます。 ====★宝飾業界関係者様★================================================== インターネット上の業者証、もうご取得ですか? ▼ 無料の業者証『ジュエリートレード・ロックID』のご申請はこちらです。 http://jtls.net/about_id.html ========================================================================== …………………………………………………………………………………… 敬称を省略しました。執筆に際しては以下に掲載している資料を参考に している場合があります。 http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/reference.html ■ご意見、ご感想、ご質問などお待ちしています!  ご意見などは、極力紙面に反映させます。  ご連絡いただいた内容は、特におことわりを頂かない限り、弊誌上で  編集の上紹介させていただく場合がございます。お名前、mailアドレ  スは、特にご希望が無い限り掲載致しませんが、お名前をお書き添え  頂ければ幸いです。ニックネームも合わせてお書きいただいた場合に  は、そちらは掲載いたします。 宛先:   ご質問へのお応えは、業務上の必要や、個人的な興味からの疑問にお  応えするべく行っているものです。許可無く第三者への回答、公開に  利用する事はお断りしております。必要な場合はその旨ご連絡下さい。 …………………………………………………………………………………… ■[宝石学の世界] 106号 2002/01/29 ■Web site   ■配信システム:『まぐまぐ』  ■まぐまぐID:0000017866 ■受信アドレスの変更:旧アドレスは[購読解除]ページよりキャンセル  をしていただき、新アドレスをホームページより新規申し込みとして  ご入力下さい。 ■購読解除   ■発行人:福本 修   ■(C)Copyright 2001 by Osamu FUKUMOTO. 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