[宝石学の世界]--Vol.217-20050215
▼ INDEX
1. 宝石学Q&A - シナバー -
2. Picked up News - ホープダイアモンド、フレンチ ブルーと特定される -
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◆宝石学Q&A - シナバー - ∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝☆
Q:gemgem さん
アメリカ合衆国のアパッチ保留地で採掘される「シナバー」という鉱物についてご存
知でしょうか。
見た目は大理石のようなマーブル模様でピンク、黄色、緑、黒、白などの色がオパー
ルのように混ざっています。詳しい鉱物情報がわかればお教えいただけますでしょう
か。
A:
一般に鉱物で「シナバー」と言えば、CINNABARと英語で綴(つづ)られる辰砂(しん
しゃ)を意味します。しかしながら、ご質問の「シナバー」とは異なる鉱物のようで
す。辰砂は伝統的に“朱”の原料に用いられた赤色系の鉱物だからです。日本でも産
出されます。化学組成はHgS、水銀と硫黄です。
お役に立てず恐縮です。読者の皆様でご存じの方がいらっしゃったらお知らせ下さい
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http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html
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◆ 2. Picked up News - ホープ ダイアモンド、フレンチ ブルーと特定される - ☆
世界で最も有名なダイアモンドを3石挙げるならば、ほとんどの愛好家はその1石に
ホープダイアモンドを数えるだろう。
このダイアモンドは現在スミソニアン博物館に所蔵される45.52キャラットのブルー
ダイアモンドであり、その類い希な大きさと美しさが研究者を惹きつけ、由来に関す
る数々の研究がなされている。その結果、確定されてはいないもののひとつの定説が
生まれている。産地はインドのゴルコンダ地方であり、フランスの貿易商ジャン バ
プティスト タバルニエが購入してルイ十四世に1668年に販売をしたダイアモン
ドを再カットした石こそがホープ ダイアモンドであるというものだ。このダイアモ
ンドは当時“フレンチ ブルー”と呼ばれ、タバルニエが“ビューティフル ヴァイ
オレット”と表現した色を湛えていたという。
フレンチ ブルーはフランス革命中の1792年に盗まれその後消息が不明である。
しかし、1812年に約44キャラットのブルー ダイアモンドに関する記録が残さ
れており、これが今日ホープ ダイアモンドとして知られるダイアモンドである、と
多くの研究者が信じている。
AP通信社によるとこの度研究者らが、現存する“フレンチ ブルー”のスケッチを
元にコンピューターモデルを用いて解析したところ、 ホープ ダイアモンドはフレ
ンチ ブルーから再カットされたものに違いないという結論に達したという。フレン
チブルーの3Dモデルの中にホープが完全に入りきる事が確認された事がその理由。
ただダイアモンドとはガラスのようにあらゆる方向に自由にカットできるものではな
く方向によって堅さが異なる。この為完全な結論に達する為には単に大きさの整合性
のみならず、ファセット面の方向が研磨可能な結晶学的方位に合致するかといった研
究も不可欠であるが、報道には残念ながらそのような研究の子細は記されていなかっ
た。
▼関連:「呪われた宝石」は存在するのか?
http://www.gem-land.com/daio/faq/hope_diamond.shtml
▼ホープ ダイアモンドの写真を含む詳細(スミソニアン博物館/英語)
http://www.si.edu/resource/faq/nmnh/hope.htm
▼GIAが1997年に実施したホープ ダイアモンドのグレーディング結果
http://www.gia.edu/mothersday2004/26698/gia_grading_services.cfm
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■[宝石学の世界] 217号 2005/2/15
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