|
|
KEVIN COATES A Hidden Alchemy(洋書)
|
|
![]() |
●著者 ケヴィン・コーツ、エリザベス・ゴーニング他共著 ☆宝飾史研究家 山口 遼―――ケヴィン・コーツを大いに語る 英国にケヴィン・コーツという凄い宝飾デザイナーがいる、と私が言い出してからもう10年になる。周りからそれが見たい買いたいとせがまれて来たが、どんな本や雑誌にも載ってないし、もちろん実物もないのだ。それがこの本の出版でやっと、内容だけは見ることが出来るようになるのは、私としては大変に嬉しい。ジュエリー・フアンなら、そしてこの道に志す人なら、絶対に買うべき本である。 彼の本業は音楽家で、その音楽で28歳にして博士号を取得するほどの御仁だ(現在58歳)。本業以外の部分で”21世紀のラリック”と言われるほどの実力も凄い。彼はこれまで4回だけ大きな個展を開いてきた。85年ヴィクトリアアルバート美術館、91年ゴールドスミスホール、99年ヴェニスとニューヨーク、それに2005年ボストンでの個展だけである。次回は来年ロンドンの「ウオーレスコレクション」でやると本人は言うが、不明である。 私が彼に最初に会ったのは、91年のゴールドスミスホールでの展示会会場で、それも極めて偶発的な出会いだった。そこでは某有名デザイナーの個展が開かれ、私はそちらに招待されて行った訳だが、あまりのつまらなさに呆れ果て、隣の会場にふらりと紛れ込んだのがきっかけだ。そこで見たケヴィンの作品に私は心底腰を抜かした。“これは何じゃ、宇宙の彼方からやってきたジュエリーか!”と。そのまま某デザイナーの会場には戻らず、その主宰者の激怒を買うことになるが、“知るか”とケヴィンの会場が閉まるまで居た。 その後十年ほど経過して、これまた天才で奇人のJAR(Joel Arthur Rothental)とパリのキヌガワという天ぷら屋でメシを食っていた時のことだ。私はジャーに尋ねた――“ところで、今の欧州で君に並ぶジュエリー・デザイナーはいるかね? いるとすれば誰だ?”と。無言の彼に私は続けた.“”英国にケヴィン・コーツという男がいるが、会いたいんだが”と。するとあの天才にして傲岸不遜、唯我独尊のジャーが、ふっと遠い目をして呟いた。“うん、あれは天才だ、もしかしたら俺より上かも知れん”と。そこですぐに紹介してもらったのが、付き合いの初まりである。早速作品を何点か買ったが、とにかく、いくら買いたいとメールしても、殆どは売り切れ。今度の「ウオーレス・コレクション」の展示会には、開催前に行くつもりだ。まあそれやこれやでロンドンに行く度に、今はサロンパスを持参する仲だが、とにかく彼のジュエリーは間違いなく“21世紀のラリック”となる。実物はともかく、まずはこの本でその凄みを味わって貰いたい。 あのカリスマJARをも凌ぐ不世出のクリエーター ケヴィン・コーツの本 世界初登場! |